朝方取引開始時こそリスク回避目的の売りがかさんだが、その後は先物主導で買い戻される展開となった。日経平均は前日時点で11営業日連続の陰線を引いていたが、きょうは久しぶりに陽線を形成した。前日の米国株市場ではナスダック総合株価指数が300ポイント近い下げで6日ぶり反落。外国為替市場では一段と円安が進んだものの、これを好感する動きは限定的で、朝方は米ハイテク株安に追随する形で売りが目立った。しかし、半導体主力株が寄り後早々に買い戻され、しばらくして日経平均など全体指数も海外投資家とみられる先物への買い戻しが発端となって、急速に戻り歩調となった。日経平均は一時400円近い下げをみせたが、その後は200円超高くなるなど乱高下。再び売りに押されマイナス圏に押し戻される場面もあったが、取引終盤に買い直された。
日経平均の日足チャートは前日まで始値より終値が安い「陰線」が続いていたが、12営業日ぶりに始値よりも終値が高い「陽線」となった。
ただ、上値追いの勢いは限られた。27日に衆院選の投開票を控えているほか、米長期金利が上昇基調を強めているとあって、東京株式市場でも株式の持ち高を積極的に積み増す動きは目立たなかった。
日経平均が3万8000円台を一時割り込んだことによる値頃感から小反発する1日となった。ここには200日移動平均線(3万8243円)もあって何かと買い方の意識が働きやすいところでもある。もっとも、売買は先物に偏っており個別株にはさほどの戻りは見られない。9月中間決算の発表がこれから本格化するため材料待ちの状態でもある。