米国株高などを受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始。半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズの好決算を受けて、半導体株が上げ幅を拡大したことから、海外投機筋の買いが主導して10時過ぎには707円高の3万8865円まで上昇し、1989年12月29日の最高値(3万8915円)まであと50円ほどに迫る場面もあった。日銀の緩和的な金融政策が続くとの楽観も支えに利益確定売りをこなしながら堅調に推移した。
半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)の決算が市場予想を上回り、15日夕の米株式市場の時間外取引で株価が急伸した。それを受けて東京市場でも東エレクとアドテストが連日で株式分割考慮後の上場来高値を更新した。半導体関連の一方的な上昇には過熱感も強まっており、両銘柄が下げに転じて売りに押される場面では日経平均も上げ幅を200円台まで縮めたが、幅広い銘柄に買いが広がったこともあり上昇を維持した。
日銀の植田和男総裁は16日、衆院財務金融委員会に出席した。金融緩和政策の修正を巡って、現時点での経済物価見通しを前提とすると「マイナス金利解除等を実施しても、緩和的な金融環境は当面続く可能性が高い」と語った。従来の日銀のスタンスと大きく変わるものではないが、日本株買いを進める海外投機筋にとって一定の安心感につながった。
前日に発表された23年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が2四半期連続のマイナスとなったことも日銀の緩和継続観測を後押ししている。米国と比べて日本では緩和的な金融政策が続くという楽観も日本株にとって支援材料となった。外国為替市場での円安・ドル高基調を支えに自動車が買われたほか、株式市場の活況で証券株も上昇した。
後場に入ると再度上を試しに行ったが、前場同様に3万8800円台では上値が重くなった。そこからやや萎んで、14時以降は3万8500円近辺で動きが落ち着いた。