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【大引け概況】


16日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比329円30銭(0.86%)高の3万8487円24銭だった。1990年1月以来、約34年1カ月ぶりの高値で終えた。

 
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米国株高などを受けて、東京市場は買い優勢で取引を開始。半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズの好決算を受けて、半導体株が上げ幅を拡大したことから、海外投機筋の買いが主導して10時過ぎには707円高の3万8865円まで上昇し、1989年12月29日の最高値(3万8915円)まであと50円ほどに迫る場面もあった。日銀の緩和的な金融政策が続くとの楽観も支えに利益確定売りをこなしながら堅調に推移した。
 
半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズ(AMAT)の決算が市場予想を上回り、15日夕の米株式市場の時間外取引で株価が急伸した。それを受けて東京市場でも東エレクとアドテストが連日で株式分割考慮後の上場来高値を更新した。半導体関連の一方的な上昇には過熱感も強まっており、両銘柄が下げに転じて売りに押される場面では日経平均も上げ幅を200円台まで縮めたが、幅広い銘柄に買いが広がったこともあり上昇を維持した。
 
日銀の植田和男総裁は16日、衆院財務金融委員会に出席した。金融緩和政策の修正を巡って、現時点での経済物価見通しを前提とすると「マイナス金利解除等を実施しても、緩和的な金融環境は当面続く可能性が高い」と語った。従来の日銀のスタンスと大きく変わるものではないが、日本株買いを進める海外投機筋にとって一定の安心感につながった。
 
前日に発表された23年10〜12月期の実質国内総生産(GDP)速報値が2四半期連続のマイナスとなったことも日銀の緩和継続観測を後押ししている。米国と比べて日本では緩和的な金融政策が続くという楽観も日本株にとって支援材料となった。外国為替市場での円安・ドル高基調を支えに自動車が買われたほか、株式市場の活況で証券株も上昇した。
 
後場に入ると再度上を試しに行ったが、前場同様に3万8800円台では上値が重くなった。そこからやや萎んで、14時以降は3万8500円近辺で動きが落ち着いた。


 

 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は前日比32.88ポイント(1.27%)高の2624.73と、1990年2月以来34年ぶりの高値を更新した。JPXプライム150指数は続伸し、11.72ポイント(1.01%)高の1167.11と、算出以来の高値を更新した。
 
東証プライムの売買代金は概算で6兆7212億円と2022年4月の市場再編後で2番目の多さだった。売買高は22億417万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1391と、全体の約8割を占めた。値下がりは237、横ばいは29だった。
 
業種別では石油・石炭、鉱業、不動産などが大幅上昇。下落は金属製品とゴム製品の2業種のみで、その他製品が小幅な上昇にとどまった
 
個別では、前日、急騰した楽天Gが引き続き買われたほか、損保会社の政策保有株の売却の話が相次いでいることが影響しT&Dホールディングス、第一生命HDも買い優勢となった。このほか、ファストリ、東エレク、リクルート、バンナムHD、中外薬、オリンパス、横浜ゴム、出光興産、三井物産、資生堂が買われた。
 
一方、今期大幅増益見通しも材料出尽くし感が先行したトレンドマイクロがストップ安となったほか、半導体関連のスクリーンHD、SUMCO、レーザーテック、ルネサスエレクトロニクス、ソフトバンクG(SBG)が売られた。ソニーG、アドテストが下落した。