前日の米株式市場では、NYダウが173ドル安と下落。米9月消費者物価指数(CPI)が予想を上回り、米金
融引き締め長期化への警戒感が台頭した。この流れを受け継ぎ、日経平均株価は軟調に推移。前日までの3日間で1500円近く上昇していたことから3万2500円に接近する水準では利益確定売りが膨らんだ。
東証プライムの9割強の銘柄が売られた。
日経平均は今週に入って前日までに1500円上昇。前日の終値でチャート上の25日移動平均や75日移動平均を上回ったため利益確定の売りも出やすかった。
中東情勢を巡る不透明感も強く、午後にかけては持ち高調整の売りが強まった。
半面、前日に良好な業績見通しを発表したファストリなど値がさ株の一角が買われ、相場の下値を支えた。ファストリは1銘柄で日経平均を190円ほど押し上げた。
市場では「依然として、米長期金利の先行きに対するマーケット参加者の警戒感は強い」との声が聞かれた。来週にかけても「米連邦準備理事会(FRB)高官の発言を受けた米金利動向には注意が必要」(同)という。
来週も投資家の関心は、米国の金利動向になりそうだ。CPIでは強い結果が示され、再び追加利上げ観測が再浮上する形になっている。来週は週を通じて米連邦準備制度理事会(FRB)関係者の発言機会が多く予定されている。また、16日にニューヨーク連銀製造業景況指数、17日には小売売上高などの経済指標の発表も控える。米国の金融政策の行方が気がかりなだけに、これら金融当局者の発言や経済指標をにらみながら不安定な値動きが続くことになりそうだ。