新型肺炎の拡大を警戒した売りが先行し、下げ幅は300円を超える場面があった。中国の景気指標の悪化や円高・ドル安進行が輸出関連株の売りを促した。ただ、日銀総裁談話をきっかけに買い戻しが優勢になり、切り返した。中国株の上昇も支援材料だった。
日経平均の値幅(高値と安値の差)は758円と、2018年2月6日以来約2年1カ月ぶりの大きさだった。
日銀は2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努めていく方針だ」との総裁緊急談話を発表した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測も浮上するなど、協調金融緩和への期待が強まり買い戻しが優勢になった。
2日の中国・上海総合指数が景気刺激策への期待で上昇したほか、日銀が上場投資信託(ETF)買い入れを実施するとの観測も相場を支え、一時は450円高の2万1593円まで上げた。
市場からは「テクニカル的にみても、いったん反発しておかしくないところだが、新型肺炎リスクについては依然不透明だ。戻れば売りが出てくるとみられ、もう一度安値を試しにいく可能性も否定できない。ボラティリティ(株価変動性)が落ち着くには時間が掛かる」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は6営業日ぶりに反発。終値は前週末比107.35ポイント高の1万3691.63だった。東証株価指数(TOPIX)は6営業日ぶりに反発し、15.00ポイント高の1525.87で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆5219億円。売買高は20億3515万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1892と、全体の87.5%を占めた。値下がりは240、変わらずは29だった。