新型コロナウイルスによる世界的な経済活動の停滞が長期化するとの警戒感が強まるなか、東京市場の取引時間中に米株価指数先物の下げ幅が一時600ドルを超えるなど大幅安となったことを受け、後場に入り海外投資家による売りが急速に強まった。下げ幅は一時1000円を超え、節目の1万8000円を下回る場面があった。
この日発表された日銀の企業短期経済観測調査(短観)ではエコノミストが予想したほど景況感は悪化しなかったが、「新型コロナウイルスの国内経済への悪影響はこれから大きくなる」とされ、株価の支えにはならなかった。
欧州の一部では新型コロナの新たな感染者の増加ペースがいくぶん鈍っているが、トランプ米大統領が「今後2週間は極めて厳しい状況が続く」と指摘するように、米国の事態は一段と深刻化。「日本も、都市封鎖への警戒感が日増しに強まっている」とされ、国内外の機関投資家が新年度入りに合わせて新たな資金を株式に投じる環境にはない。
現物株に買いが入らない中、「しばらくは、先物主導で2番底を探る局面が続きそうだ」という。
東証1部の売買代金は概算で2兆7205億円。売買高は16億6142万株だった。
JPX日経インデックス400は大幅に3日続落。終値は前日比468.42ポイント安の1万2104.76だった。東証株価指数(TOPIX)も大幅に3日続落し、51.96ポイント安の1351.08で終えた。
東証1部の値下がり銘柄数は2056と全体の約95%を占めた。値上がりは100、変わらずは10銘柄だった。