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【大引け概況】


19日の日経平均株価は3日ぶりに反落し、前日比611円63銭(1.91%)安の3万1430円62銭で終えた。
 
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前日の米国市場は、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が18日の講演で「インフレ率を米連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%に戻すためには、政策金利を当面、高水準で維持する必要がある」と述べたことが米長期金利上昇を促し、主要株価指数は下落した。東京株式市場も金利動向に敏感とされる半導体関連や電子部品関連など値がさ株を中心に広範囲に売りが膨らんだ。急ピッチの下げの反動から押し目を拾う場面もあったものの、アジア市場が軟調に推移しているほか、中東情勢の行方も気がかりとなるなか、買い見送りムードが広がっていた。
 
日経平均への寄与度が大きい東エレクやアドテスト、レーザーテクなど半導体関連の下落が目立った。18日の米市場で米長期金利が約16年ぶりの水準に上げ、米ハイテク株が売られた流れを引き継いだ。国内の長期金利が10年3カ月ぶりの高水準になったことも株価の重荷となった。上海や香港などアジア株の下落が投資家心理に響き、海外の短期筋などが株価指数先物に売りを出した。
 
ただ、インバウンド(訪日外国人)関連の一部には物色が向かった。日本政府観光局(JNTO)が18日発表した9月の訪日客数は新型コロナウイルス流行前の水準をほぼ回復。京王や小田急、JR西日本などの鉄道株が堅調に推移した。
 
市場では「金利上昇による経済への影響が懸念されるなか、中東情勢という不透明要因も加わり、長期運用向けポジションを取りにくい状況が続く可能性もある」との声が聞かれた。
 
市場の関心は、パウエルFRB議長の講演内容に集まっている。米連邦公開市場委員会(FOMC)のブラックアウト期間入り目前の発言機会は、FOMCの「予告」になると目されているだけに注目度が高いと言える。31日からのFOMCでは政策金利の据え置きがコンセンサスであるが、その先の金融政策については見方が分かれているだけに発言内容次第では、米長期金利が一段と上昇するリスクがあり、世界的に株式から資金逃避が起こる可能性も残るだけに警戒したところだろう。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反落し、31.18ポイント(1.36%)安の2264.16で終えた。JPXプライム150指数は続落し、16.39ポイント(1.63%)安の986.99となった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆1665億円。売買高は12億3463万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1394で値上がりは401、横ばいは41銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は精密機器、医薬品、機械、空運業などが下落。上昇はパルプ・紙、陸運業。
 
個別では、レーザーテック、東京エレクトロン、ソシオネクストなど売買代金上位を占めた半導体の主力株が大きく売りに押される展開となった。また、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも軟調。川崎汽船、三菱商事、リクルートなども安い。第一三共が大きく下値を探る展開となったほか、ファーストリテイリング、三菱重工業なども下落した。コプロ・ホールディングスが急落、JMDC、アンビスホールディングスも大幅安だった。
 
半面、キヤノンが堅調、花王、クレセゾン、ニチレイが上げた。JR西日本も買い戻された。また、TOWAの強さが目立つ。霞ヶ関キャピタルも買いが優勢だった。カナデン、IDOMが大幅高に買われ、ヴィア・ホールディングス、北の達人コーポレーションなども買われ、オイシックス・ラ・大地も上昇した。