東京株式市場は目先高値警戒感が拭えないなかもリスクオン相場が続いている。前日の欧州株市場がほぼ全面高に買われたほか、米国株市場もその流れを継いで強気優勢の地合いが鮮明となったことから、投資家心理に追い風となっている。米株市場ではパウエルFRB議長が下院での議会証言を行ったが、労働市場の需給緩和に言及するなどタカ派的ではないとの見方が広がり、FRBによる早期利下げ期待が強気相場を後押ししている。
東京株式市場もこれに追随した。そうしたなか、為替市場では朝方はいったん円高方向に押し戻されたものの、その後再び1ドル=161円台後半へと円安に振れ、輸出セクター中心にポジティブ材料となった。もっとも、日本時間今晩に6月の米CPI発表を控え、この結果を見極めたいとの思惑から、取引終盤は持ち高調整の大口売りが出て日経平均は上げ幅を縮小して着地している。
ハイテク株を中心とした前日の米株高の流れを引き継いで、値がさの半導体関連など主力株の一角に買いが目立った。上げ幅は一時600円に迫った。
10日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇し、東京株式市場でも運用リスクを取る動きが広がった。米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ期待が株式相場の支えとなった。米ハイテク株高を受けて、東エレクやソニーG、村田製などに買いが入り、日経平均を押し上げた。
買い一巡後は上げ幅を縮めた。日経平均は足元の急上昇を受けて、チャート分析上で25日移動平均からの乖離(かいり)率などが「買われすぎ」とされる水準を上回って推移しており、短期的な過熱感も意識された。日本株のこれまでの上昇局面で堅調さが目立った銘柄の一角には利益を確定する売りが出た。