日米の主要な企業の決算発表を前に持ち高調整の売りが優勢となっている。新型コロナウイルスの感染拡大を巡っては変異ウイルスへの警戒が広がる。4都府県(東京、大阪、京都、兵庫)を対象にした緊急事態宣言の期限が延長されるとの懸念もあり、内需関連株の一部には売りが出ていた。
前日の米国株市場でナスダック総合指数が買われたことなどを追い風に朝方こそ日経平均がプラス圏でスタートしたが、その後は買いが続かなかった。
取引時間中は漸次下値を切り下げる展開で、大引け間際に2万9000円台を割り込んだ。変異ウイルスを含めた国内での新型コロナウイルスの感染拡大が警戒されるなか、緊急事態宣言の発令などに伴う国内景気の停滞が株価の重荷となっている。
昼休み中には日銀が金融政策決定会合の結果を発表。従来の大規模な金融緩和政策の維持を決めた。「展望リポート」では国内総生産(GDP)成長率の見通しを引き上げる一方で、物価見通しを引き下げた。従来の緩和姿勢に変化はないとの受け止めから、午後の株式市場では取引材料にはならなかった。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比140.74ポイント安い1万7141.38だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、14.60ポイント安い1903.55で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆4409億円。売買高は11億5937万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1338と、全体の約6割を占めた。値上がりは749、変わらずは103銘柄だった。
きょう東証1部に上場したテスHD(5074)は9時32分に付けた初値(2010円)を52円(2.6%)上回る2062円で終えた。