きょうの東京株式市場は寄り付きから先物主導で下値を試す展開を強いられた。
前週末の米国株市場ではNYダウが反発し過去最高値を更新したが、一方でハイテク株比率が高いナスダック総合指数は売りに押される格好となっており、インフレ警戒ムードのなか金利上昇懸念がくすぶっている。東京市場でもハイテク主力株中心に幅広く売りが優勢となった。ただ、鉄鋼や海運などグローバル景気敏感株には買いが目立ち、石油や石炭など資源関連株に強い動きを示す銘柄が多かった。
また、半導体関連も主力どころは売られる一方で、中小型株には上昇する銘柄も少なくなかった。日経平均は一時300円を超える下げをみせたが、後場終盤は買い戻され下げ幅を縮小した。
国内の政治情勢の不透明感も相場の重荷だった。24日投開票の参院静岡選挙区の補欠選挙で自民党の候補が敗北。総選挙で自民党の議席数が伸び悩み、岸田政権の求心力の低下につながるとの懸念が強まった。
日経平均は午前に下落率が1%を超える場面があったが、午後に入ると下げ渋る場面が目立った。米株価指数先物が日本時間午後の取引で堅調に推移し、下値を支えた。日経平均が心理的な節目の2万8500円に近づく水準では、主力銘柄に押し目買いも入りやすかった。
市場からは「米ハイテク株安をにらみ先物が売られ、インデックス売りの影響が下げ幅を大きくした。24日投開票の参院2補選で与野党痛み分けとなり、衆院選に対する不透明感も意識される。まだ、ボラティリティ(価格変動性)は高めで全体相場の方向性ははっきりしないが、押し目買い、戻り売りが基本だろう」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。東証株価指数(TOPIX)も反落し、6.81ポイント安の1995.42で終えた。TOPIXは午前に上げる場面もあった。
東証1部の売買代金は概算で2兆2792億円。売買高は10億4576万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1326と、全体の約6割を占めた。値上がりは736、変わらずは122銘柄だった。