きょうは、朝方は強弱観対立のなか売り買いを交錯させていたが、その後は次第に上値追い基調を強めた。前日の米国株市場では主要株価指数が高安まちまちで取引終盤に値を消したことから、大型連休前の東京株式市場でも気迷いムードが漂っていた。
しかし、好決算銘柄を中心に個別株物色意欲は旺盛だった。後場に入ると、日銀が金融政策決定会合で大規模金融緩和策の維持を決定し、これを受けて外国為替市場で円安が急速に進行、自動車株など輸出セクターの株価に追い風となり全体相場の押し上げ要因となった。また、先物主導で空売りの買い戻しが顕著となり、日経平均は次第高の様相で2万6800円台まで水準を切り上げた。
日銀は27〜28日に開いた金融政策決定会合で、大規模な緩和策の維持を決めた。長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の方針をめぐっては金利変動幅を柔軟にするとの見方も事前にあったため、会合結果発表後に円売り・ドル買いが加速した。株式市場では輸出採算が改善するとの思惑から、自動車や機械といった輸出関連株に買いが集まった。
前日には日経平均が2万6000円台前半に下落し、値ごろ感がでたと見られた銘柄に買いが入った。連休を控えていることもあって、午後には売り方の買い戻しも入り、全体相場を押し上げた。
中国で新型コロナウイルスの感染拡大が一服してきたとの見方から中国経済の減速への過度な警戒が和らぎ、景気敏感株の支援材料となった。朝方には主力値がさ株の一部が売られ、日経平均が下落する場面があった。
前日に好決算を発表した銘柄にも買いが入った。デンソーやジェイテクトは28日の取引時間中に決算を発表すると上げ幅を広げた。半面、昼休み中に決算を発表した商船三井は午後に下落に転じた。郵船や川崎汽船も連れて下げた。
日経平均は月間では973円下落した。月間での下落は2カ月ぶりで、下げ幅は1月(1789円)以来の大きさだった。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は前日比38.86ポイント高の1899.62だった。
東証プライムの売買代金は概算で3兆4114億円。売買高は13億8363万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1503と、全体の約8割を占めた。値下がりは295、変わらずは40だった。