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【大引け概況】


29日の日経平均株価は続伸し、大引けは前日比40円15銭(0.12%)高の3万3234円14銭だった。
 
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朝方買いが先行して始まり、その後は先物を絡め日経平均は一時330円以上水準を切り上げる場面があった。前日の米国株市場では金融引き締めに対する警戒感が再燃しNYダウが冴えない動きで反落したが、ナスダック総合株価指数は続伸した。また、米国株市場に先立って取引が行われた欧州株市場が全面高に買われていたこともあり、東京株式市場でも取引開始時はリスク選好ムードが強かった。
しかし、前場取引終盤に先物主導で急速に上げ幅を縮小し、後場に入っても上値の重い展開に。前日に日経平均は先物主導で急伸をみせていたことで、目先筋の利益確定の動きが表面化し、引け際に小幅ながら下げに転じる場面もあった。結局、プラス圏に切り返して着地したが、値上がり銘柄数を値下がり銘柄数が上回った。
 
半導体メモリー大手の米マイクロン・テクノロジーが発表した2023年3〜5月期の決算で、売上高などが市場予想ほど落ち込まなかったのを受け、東京市場でも半導体株に買いが波及。東エレクは年初来高値を更新した。外国為替市場で円相場が1ドル=144円台半ばまで下落するなか、輸出採算の改善期待を背景とした精密機器株や電気機器株の上昇も目立った。

日経平均は前場終盤に先物主導で上げ幅を縮める場面があった。特段悪材料が出た訳ではなく、短期筋による動きが主体との見方が多い。また、節目の3万3500円を突破したことで戻り待ちの売りなども控えていたようだ。一方、チャート面では14日から23日まで3万3200円程度が下値支持ラインとして意識されていただけに、この水準を上回って引けたことで、日経平均は再び上値追いの動きにつながると先行きを期待する声も聞かれる。ただ、来週は3日に日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)、米国ではISM製造業・非製造業景況指数、雇用統計といった重要経済指標の発表が控えるだけに、短期筋の動向にらみの展開が続きそうだ。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は反落し、終値は前日比2.35ポイント(0.10%)安の2296.25だった。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆8030億円。売買高は16億8655万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は762と、全体の約4割にとどまった。値下がりは990銘柄、変わらずは75銘柄だった。

業種別株価指数(33業種)では銀行業、精密機器、電気機器などが上昇した。下落はパルプ・紙、食料品、海運業など。
 
個別では、レーザーテック、ソシオネクスト、アドバンテスト、東エレクの半導体株が軒並み大きく上昇。イビデン、芝浦メカなどハイテクの一角も高い。米銀のストレステストが健全な結果だったことなどを追い風に三菱UFJは年初来高値を更新した。三井住友も買われた。為替の円安を受けてSUBARU、スズキ、マツダの自動車が上昇し、日産自、三菱自は仏ルノーとの新会社出資などを巡る協議進展が好感され大幅高だった。
トリケミカル、フジミインコなど半導体材料株で高いものが目立ち、グローバルニッチトップの中小型株に関する一部報道が材料視された酉島製作所、旭有機材は大幅高。決算が好感されたハローズ、レーティング格上げが手掛かりとなったデクセリアルズも大きく上昇した。
 
一方、川崎汽船、郵船、商船三井の海運が続落。JAL、ANAHDの空運も下落。新薬の開発中止を受けて前日まで2日連続でストップ安比例配分となっていたそーせいGが急落。決算で出尽くし感が先行したJフロント、配当権利落ちのJT、AGC、洋インキHD、日本カーボン、株式分割権利落ち日で利食い売りが膨らんだNTTなどが大きく下落した。