中東情勢緊迫化への警戒感がやや後退する中、米国株高を好感した買い戻しが優勢となった。
東証1部市場は幅広い銘柄が買い戻され、ほぼ全面高となった。前日に日本株の急落につながった米国、イラン両国の関係悪化懸念がいったん和らいだ。
また、為替相場で1ドル=108円台半ばまで円安が進んだことも支援材料となった。日経平均株価の上げ幅は300円を超え、2万3500円台を回復した。
堅調な動きをみせる香港や中国株市場を横目に前日とは真逆の展開で海外ヘッジファンドが先物を買い戻し、これが日経平均に浮揚力を与える形となった。ただ、値上がり率上位は中小型株が大半を占めており、個人投資家などの短期回転売買意欲が旺盛であることを裏付けている。
市場では「中東情勢の緊迫化が米景気に大きな悪影響をもたらすとは考えにくく、押し目買いの好機」との声が聞かれた。前日の大発会で日経平均は451円安と大幅に下落していたため、自律反発を狙った押し目買いも入りやすかった。
7日の投資家心理に関し、「争いの当事者である米国株が上昇したのに、争いと関係のない日本の株を売り急ぐ必要はないのだろう」と述べた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1251億円。売買高は11億5795万株だった。
JPX日経インデックス400も4営業日ぶりに大幅反発し、終値は前日比241.99ポイント高の1万5412.52だった。東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに大幅反発し、終値は27.56ポイント高の1725.05だった。
東証1部の値上がり銘柄数は1961と全体の9割を占めた。値下がりは146、変わらずは54銘柄だった。