前週末の米国株式市場で積極的な利上げ継続が警戒され、主要3指数が下落した流れを受け、売りが先行した。先物にまとまった売りが出て下げ幅を拡大し、前場の早い段階で2万6649円13銭(前週末比441円63銭安)まで下落した。
米消費者の予想インフレ率の上昇などを受けて米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの警戒感から、値がさ株を中心に売りに押された。
ただ、売り一巡後は新規の手掛かりが乏しく、一方的に日本株の下値を探る動きにはなりづらかった。個人投資家の押し目買い意欲の強さを指摘する声もあり、日経平均は取引終了にかけ下げ幅を縮小した。インバウンド(訪日外国人)需要の回復期待を支えに百貨店株や鉄道株、海運株で上昇が目立った。
きょうの下げは当然の一服といえるだろう。ただ、米国のインフレ見通しが悪化する中、米連邦準備理事会(FRB)の積極利上げが景気後退を誘発するとの懸念は根強く残るだけに、今夜発表予定の10月のNY連銀製造業景気指数は警戒したいところ。インバウンド関連など消去法的な物色のほか、決算などを手がかりとした個別材料株を中心とした物色はしばらく続くだろう。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前週末比18.63ポイント(0.98%)安の1879.56で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆4239億円。売買高は10億5721万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1390と、全体の7割超を占めた。値上がりは384、変わらずは63銘柄だった。