朝方はリスク選好ムードで買いが先行した。前日の米国株市場ではNYダウとS&P500指数が5日続伸し過去最高値更新基調を続けている。これを受けて東京株式市場でも主力株を中心に強い動きでスタートしたものの、その後は次第に上げ幅を縮小し後場はマイナス圏に沈んだ。
国内で新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからず、緊急事態宣言の対象地域拡大や期限延長の動きを嫌気する売りがかさんだ。中国や香港株などアジア株市場が総じて安かったことや、米株価指数先物が軟調に推移したことなども買いを手控えさせた。業種別では海運や倉庫株が高く、鉄鋼、空運株には売りが目立った。半導体関連も朝高後に値を消した。
東京都での重症者数が16日まで連日で過去最多を更新するなど、国内の新型コロナの感染拡大は日増しに深刻化している。週末にかけて極端に多い新規感染者数が発表されるのではとの疑念も拭えず、運用リスクを回避する動きにつながった。
政府は17日、新型コロナに関する緊急事態宣言の対象地域について京都など7府県の追加と、すでに宣言を発出している地域の宣言期間延長を正式に決める。経済活動の正常化が一段と遅れるとの見方が投資家心理に影を落とした。
新興株の急落で個人投資家の投資余力が低下したことや、中国・上海株をはじめ主要なアジアの株価指数で下落が目立ったことも相場の重荷となった。
半面、日経平均の下値は堅いとみる市場関係者は多い。「4〜6月期の時点で自社株買いを発表した企業は想定していたより多く、株主還元を評価する動きが一定程度ある」との指摘も聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、9.35ポイント安の1915.63で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆684億円。売買高は9億5419万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1478と、全体の約7割を占めた。値上がりは613、変わらずは96銘柄だった。