朝方からきのう16日に大幅反発した反動や、米国株安などで売りが先行。現物株の取引開始後、株価指数先物に断続的な売りが出たことをきっかけに下げ幅を広げた。後場はやや買い優勢で取引を開始したが、ウクライナの治安部隊が同国東部の親ロシア派勢力に攻撃を仕掛けてきたと報じられた。
リスク回避姿勢の高まりから、午後1時2分には同379円48銭安の2万7080円92銭を付ける場面もあった。売り一巡後は、模様眺めムードが広がるなか、下げ幅を縮小した。
午後に入ると日経平均は一段安となった。ロシアの国営通信社スプートニクが親ロシア派武装勢力の実効支配する地域で「ウクライナ軍が砲弾と手りゅう弾を発射した」と伝えた。外国為替市場では円相場が1ドル=115円台前半に上昇し、株式市場ではリスク回避姿勢が強まった。
一方、日経平均が2万7000円近辺まで下げると押し目買いなどが入り、次第に下げ幅を縮小した。「企業収益を踏まえると現在の相場水準は株価指標面などからみて割安感がある」との声が聞かれた。
市場では、不透明なウクライナ情勢に今後も悩まされる場面が想定されるが「消去法的に、堅調な業績見通しで高配当が見込まれる2−3月決算期銘柄に物色の矛先が向かいそう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前日比15.39ポイント(0.79%)安の1931.24で終えた。JPX日経インデックス400も反落した。
東証1部の売買代金は概算で2兆9200億円。売買高は11億8069万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1572と、全体の約7割を占めた。値上がりは541銘柄、変わらずは69銘柄だった。