金融システム不安がくすぶり前日の米株式相場が大幅安となった流れを引き継ぎ、午前には下げ幅が300円に迫る場面もあった。米長期金利の低下などを受けて値がさの半導体関連株の一角が買われ、相場を下支えした。
幅広い銘柄に売りが先行した。22日にイエレン米財務長官が保護対象を全預金に拡大することや保護金額の上限を引き上げることに否定的な考えを示し、同日の米株式相場では金融株中心に大幅下落した。この流れを引き継ぎ、東京株式市場でも金融株には売りが目立った。
米連邦準備理事会(FRB)が22日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の0.25%引き上げを決めた。米景気の先行き懸念も株式相場の重荷となった。
もっとも、今回のFOMCやパウエルFRB議長の会見での発言については受け止め方が定まっていないとの指摘もある。23日の米株式相場がどう動くかを見極めたいと積極的に持ち高を一方向に傾けにくい地合いとなった。
売り一巡後は、下げ渋る動きをみせたことや、時間外取引で米株価指数先物が上げ幅を拡大したことを支えに、下げ幅を縮小した。後場に入り、底堅い展開が続き、午後2時48分には同4円64銭安の2万7461円97銭まで値を戻す場面もみられた。為替市場ではドル・円相場が、1ドル=130円70銭台と、午後に入りもみ合い展開となっている。
日本時間23日の取引でダウ工業株30種平均先物の「Eミニ・ダウ先物」が強含んだ。香港や台湾の株式相場が上昇していることもあり、日経平均は次第に下げ幅を縮めた。
市場では「東証株価指数(TOPIX)がチャート上の200日移動平均(1937近辺)手前で下げ渋り、上昇トレンドが続くと判断した投資家が押し目買いを入れた側面もありそうだ」との声が聞かれた。
また、「まだ、金融株を中心にボラティリティー(変動率)が高い展開が続きそうで、消去法的に3月末の配当や権利を取る動きが中心になりそう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前日比5.61ポイント(0.29%)安の1957.32で終えた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆4742億円。売買高は10億4119万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は688と、全体の4割弱だった。値上がりは1059、変わらずは89銘柄だった。