新たな買い材料がない中、前週大きく上昇した素材や金融など景気動向に敏感な業種に利益確定の売りが出て、日経平均の重しになった。
米国が中国の華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化すると発表したのを受け、米中対立の激化が景気悪化につながると懸念した売りが優勢だった。ただ、米中関係を巡っては様子見ムードも強く、一方的な下値模索とはならなかった。
ファーウェイの規制強化で悪影響を受けるとの見方からTDKや太陽誘電など電子部品株が売られた。空運や鉄鋼、銀行など景気に敏感な銘柄群の一角も下落した。日経平均は下げ幅を100円超に広げる場面もあった。
先週一気に2万3000円台へ乗せた勢いは止まり外国人の動きもストップ。東証1部の出来高は2日連続で10億株を割り込むなど、お盆休み明けなのにまるでお盆の最中のような薄商いだ。もっとも、閑散に売りなしと言うように2万3000円絡みの売り物は目先的に吸収されたようで、出来高が減っても株価は下がりにくくなっている。
一方で、東証マザーズ指数は上値を試す展開となり、個人投資家による中小型株への買い意欲は旺盛だった。投資家心理は足元でそれほど悪化しておらず、日経平均も下がったところでは株価指数先物に打診的な買いが入り、下値の堅さにつながった。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反発した。終値は前日比5.71ポイント高の1万4522.33だった。東証株価指数(TOPIX)も3日ぶりに反発し、1.03ポイント高の1610.85で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆7717億円と、前日よりは増えたが引き続き低調だった。売買高は9億7425万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1124と、全体の約5割を占めた。値上がりは959、変わらずは90銘柄だった。
市場からは「後場は下げ幅を縮小したが、これといったニュースは見当たらず、日銀のETF買い的な動きだ。日経平均は前場に2万3000円を割れても下に走らず、下値は堅いようだ」との声が聞かれた。