
4月の新年度入り初日となったが、全体相場に勢いがなかった。前日の米国株市場でNYダウが400ドルを超える上昇をみせたことで、東京株式市場でもセンチメントが改善、主力株中心に買い戻され朝方は日経平均が大きく水準を切り上げる場面もあった。
しかし、買い一巡後は次第に値を消し、後場は下げに転じる場面もみられた。トランプ米政権による相互関税の詳細発表や自動車関税の導入を前に、買い手控えムードが強い。半導体関連株などがまちまちだったほか、防衛関連株も冴えず、全体相場を押し上げる動きは希薄だった。なお、TOPIXも小幅プラス圏で引けているが、個別株でみると値上がり銘柄数を値下がり銘柄数が上回った。
投資家心理の改善に伴う買いがソフトバンクグループ(SBG)やファストリに入り、日経平均を押し上げた。トランプ米政権は日本時間3日4時に貿易相手国と同水準まで関税を引き上げる「相互関税」の詳細を発表する。関税が米景気を冷やすとの警戒は根強く、第一三共や塩野義など業績が景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄への物色が目立った。
ただ、米国の関税政策への警戒から日経平均が節目の3万6000円を上回った場面では持ち高調整の売りに押された。国内機関投資家による「期初の益出し」観測への警戒もあり、2024年度に上昇が目立った銀行や防衛関連株が弱含み、日経平均は下げに転じる場面があった。
日経平均のきょうの反発についてこれまで大きく下げていた反動高の面が大きいとの見方が多い。市場では「相互関税の全体像がみえない以上、日経平均が短期的に戻りを試す局面では手じまい売りが出やすい」との声が聞かれた。
日経平均は午後に下げる場面があった。国内の大口投資家が複数の銘柄をまとめて売買する「バスケット取引」は約2453億円と通常の数倍の規模となったことが注目された。4月第1週は例年、国内機関投資家が含み益のある保有株を売却し、実現益にする期初の益出しが出やすいことで知られる。新年度初日に当たる1日に大きな取引が確認されたことで、取引の一部は益出しに関連したものとの見方があった。
さて、東京株式市場は結果的に反発力の弱いところを見せる1日に。寄り前に発表された3月の日銀短観は悪化したものの、数値自体は事前予想の範囲内で相場への影響は限られている。ただ、トランプ関税の悪影響が読み切れず上値は重い状態だ。チャート面ではローソク足がはらみの陰線となっており弱さの継続を示唆。半面、PERは14倍台と割安感が出ており多少の値頃も感じられる。