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【大引け概況】


12日の日経平均株価は続伸し、前日比261円58銭(0.90%)高の2万9388円30銭で終えた。
 
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前日の米株式市場では、NYダウは4日続落したが、ナスダック指数は続伸と高安まちまちだった。これを受けた、東京株式市場では日経平均株価が値を上げてスタート。海外投資家の買いも意識されるなか、買い優勢の展開。日経平均株価は一時、21年11月以来となる2万9400円台まで上昇し、TOPIXは同年9月以来の水準に値を上げた。
 
米国と比べた相対的な日本株の投資環境の良好さに目を付けた海外投資家の買いが相場を押し上げた。国内の投資家の心理もさらに上向き、決算に対する市場の評価が良かった銘柄を中心に買いが集まった。
 
きょうは週末とあって利益確定や持ち高整理を目的とした売りも上値では出たが、勢いは限られた。足元の相場の強さがあらためて意識され、日経平均は大引け前に上げ幅を300円近くまで広げた。
 
米国では債務上限問題や地域銀行の経営不安などを巡って相場が不安定な動きをしている。一方、日本は日銀が金融政策の修正に慎重なハト派的な姿勢を示すなか、株式市場にとってプラスの環境がしばらくは続くとの見方から逃避的な買いが入りやすくなっているとの見方があった。自社株買いなど株主還元強化の動きも好感された。
 
東京株式市場は、投資マインドが好転してきているため、日経平均の3万円大台乗せも時間の問題とみている向きが増えている。しかし、米地銀の経営不安に対する警戒感は拭えないうえ、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「インフレの持続性に驚いている」と述べるなど、物価上昇率の高止まりを懸念する見方もある。来週以降は再び米国のインフレ状況など見極めながらの展開となりそうで、日経平均の騰勢が一服することも想定される。
 

 
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反発し、前日比13.30ポイント(0.64%)高の2096.39で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆9587億円と、3月10日以来の高水準だった。売買高は16億6497万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1031と、全体の約56%だった。値下がりは737銘柄、変わらずは66銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では水産・農林業、精密機器、ゴム製品などが上昇。石油・石炭製品、パルプ・紙、鉱業などは下落した。
 
 
個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロン、キーエンスが高く、トヨタ自動車やファーストリテイリング、アドテストが値を上げた。好決算の発表を受け神戸製鋼所や日産自動車、ホンダ、コナミグループなどが買われた。住友不動産やニトリホールディングスが上昇した。
 
 半面、前期業績は2期連続で最終赤字となったソフトバンクグループ(SBG)が売られ、同じく前期は最終赤字に転じたシャープが急落した。三菱UFJフィナンシャル・グループやファナック、トレンドも安い。日本電信電話や武田薬品工業、日本製鉄が値を下げ、丸紅やENEOSホールディングス、東レが下落した。