
前日の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも上昇し、きょうの東京市場もリスクオンの流れが意識されたが、日本時間朝方の取引開始前にトランプ米大統領が自身のSNSでイスラエルとイランが停戦で合意したと発表したことで、これを材料視する形で投資資金の流入が加速した。先物主導で空売り筋の買い戻しが顕著となり、日経平均は朝方に630円あまりの上昇で3万9000円台を目前に捉える場面もあった。
その後は伸び悩む場面もあったが、前場取引後半から再び買い直される展開に。米国では前日にボウマンFRB副議長が7月利下げに前向きな姿勢を示したこともあって、東京株式市場でも米株価指数先物の強調展開を横にらみに強気優勢の地合いが継続した。
24日の東京株式市場では東エレクやアドテスト、レーザーテクなど値がさの半導体関連株への買いにつながった。中東懸念の後退で原油先物相場が急落し、原油高騰によるインフレ再燃で米利下げが遠のくシナリオが回避できたことも買い安心感につながった。
ただ、値上がり銘柄数は64%にとどまり、プライム市場全体の3分の2に届かなかった。売買代金は4兆円台をキープした。
朝方の買い一巡後は伸び悩み、日経平均は心理的節目の3万9000円に近づくと利益確定売りに押された。イスラエルとイランの停戦を巡る報道が交錯し、両国の動向を見極めたいとの雰囲気が強まり、積極的に上値を追う動きは限られた。
7月9日には米相互関税の上乗せ分の猶予期限が迫り、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感はなお強い。市場関係者は「日米関税交渉の着地点がまだみえておらず、上値を試すには材料不足」と話す。あわせて「7月後半には国内企業の2025年4〜6月期の決算発表が始まり、関税による業績への影響を見極めたいとの雰囲気も強い」との見方も示した。
さて、東京市場は日経平均が直近3日間の下げ幅を一時的に埋める動きとなり、中東情勢という不安定要因を乗り越えつつある状況だ。有事のドル買いの反動で円高がやや進んでしまったが、それでも日経平均は6月の高値を更新してきている。一方、上場全銘柄で算出する指数トピックスはまだ6月高値を超えておらず、物色が日経平均採用銘柄や先物に偏っている様子もうかがえるだろう。