再任指名公聴会でのパウエルFRB議長の発言が安心材料となって米国株が買われた流れを受けて、寄り付きから200円を超える上昇。インフレ高進への過度な警戒が和らぎ、買いが買いを呼ぶ展開となった。アジアの株式相場が堅調に推移したのも追い風となり、取引終了にかけて日経平均は一段高となった。
前日の米市場ではパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言後に米長期金利の上昇が一服し、PER(株価収益率)の高いハイテク株を中心に見直し買いが入った。東京株式市場では成長株や割安株など幅広い銘柄に買いが広がった。
日経平均は午前の中ごろから上げ幅を拡大した。香港ハンセン指数など主要なアジア株式相場が上昇し、投資家心理が一段と改善。売り持ちしていた投資家の損失覚悟の買い戻しも巻き込み、大幅高となった。
伸び悩む場面もあった。心理的な節目の2万9000円が近づいたことで戻り待ちや利益確定の売りが出やすかった。チャート上の200日移動平均(約2万8800円)が上値抵抗線として意識された。
JPX日経インデックス400は4営業日ぶりに反発。東証株価指数(TOPIX)も4営業ぶりに反発し、32.54ポイント高の2019.36で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆151億円。売買高は11億9795万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1924と、全体の9割近くを占めた。値下がりは219、変わらずは42銘柄だった。