きょうは気迷いムードが強く、前日の米主要株価指数は高安まちまちで日本株の方向感を決定付ける材料にはならなかった。外国為替市場で円高・ドル安基調が続き、日本株の株価指数先物や輸出関連の重荷となった。日経平均は3万3000円台前半で弱含みに推移したが、後場に入ると買いが厚くなり徐々に上値指向を強めた。
半導体周辺銘柄が主力どころ中心に買い直される展開となり、全体指数の押し上げに寄与した。
前日の米国株市場ではNYダウなど主要株価指数が高安まちまちの展開だったが、米長期金利の低下傾向が強まったことで、投資家心理が改善した。米10年債利回りは4.2%台まで低下し、これを受けて国内10年債利回りも0.7%を下回る水準で推移、半導体をはじめハイテク系グロース株への買いを誘導している。
市場では「このところ日本株は下げが続いていたため、見直し買いが入りやすかった」との声が聞かれた。
日経平均の月間騰落率はプラス8.51%。月間ベースでの上昇は5カ月ぶり。
終わってみれば3桁の上昇で高値引け。売りづらさが意識された1日になっただけに、あすは期待が持てる。月初には値幅が出ることも多いだけに、スタートから節目の3万3500円を超えてくるようなら、今年の高値水準である3万3700円〜3万3800円どころを試しに行く動きが見られても不思議ではないだろう。
米国では、10月の米個人消費支出(PCE)が発表される。9月実績から大きく鈍化することが見込まれているが、関係者が想定する米国景気のソフトランディング(軟着陸)となっていると受け止められるのか、見極めたいと考える投資家が多い。また、12月1日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言機会が予定されている。最近のFOMCメンバーの発言により早期利下げ開始への思惑が広がるなか、パウエル氏の発言がこうした楽観ムードにくぎを刺すものになるのかにも投資家の関心が集まっている。