米長期金利が連日で16年ぶりの水準に上昇したのを背景に、国内外で相対的な割高感から株式を売る動きが広がった。
つなぎ予算を成立させ政府機関の閉鎖回避にこぎつけたマッカーシー下院議長が解任されたことも先行き不透明感を強めた。米国株の急落を受けて日経平均は472円91銭安からスタート。時間外取引の米10年債利回りが一段と上昇するなかリスク回避の売りが膨らみ、前場から600円超の下落となった。後場は日本銀行の上場投資信託(ETF)買い観測から下げ渋る場面もあったが、買い戻しは続かず再び軟化。香港株の下落や時間外取引の米株価指数先物の失速を背景に取引終盤には手仕舞い売りが広がり、日経平均は一時3万0500円を割り込む場面があった。
3日の米債券市場で長期金利は一時4.81%まで上昇した。同日発表の米雇用指標が労働需給の逼迫を映し、米金融引き締めが長期化するとの見方が強まった。長期金利上昇が嫌気され3日の米株式市場で主要3指数がそろって大幅安となり、4日のアジア市場では香港ハンセン指数など主要株式相場が下げ、日本株への売りを誘った。国内の長期金利が上昇したことも相場の重荷だった。
東エレクやアドテストなど値がさの半導体関連株に売りが膨らみ、日経平均を下押しした。外国為替市場では円安・ドル高が進行しており、海外投資家からドル建て日経平均のパフォーマンス悪化を警戒した売りが出ているとの見方もあった。このところ堅調だったバリュー(割安)株を売る動きも目立ち、銀行株や自動車株が大幅安となった。
午前の東証株価指数(TOPIX)が前日比2.01%安で終え、下落率は日銀が上場投資信託(ETF)を買い入れる基準と市場でみられている2%を超えた。実施すれば3月14日以来となる。ただ、日銀の買い観測は市場で広がらず、日経平均は大引けにかけて下げ足を速めた。
TOPIXは5日続落し、56.58ポイント(2.49%)安の2218.89で終えた。JPXプライム150指数も5日続落し、17.35ポイント(1.75%)安の975.74だった。