日銀が上場投資信託(ETF)を買い入れているとの観測や公的年金の買い観測が支援材料となった。日経平均は前日までの4営業日で2800円超下げており、自律反発狙いの買いも入った。
前日の米株暴落を受けて寄り付きから日経平均は大きく下値を探り、一時600円を超える下落となった。その後は米株価指数先物を横目に先物を絡めたショートカバーや、年金系資金の買いが足場となって急速にプラス圏に切り返した。今度は550円あまりの上昇をみせる場面があったが、不安定な動きは続き、その後戻り売りに再び押される展開で1万7000円台近辺での攻防が続いた。
新型コロナウイルスをめぐり、トランプ米大統領が8月あたりまで流行が続く可能性があるとの見方を示し、世界景気を長期間にわたって下押しするとの懸念も投資家心理を冷やした。
値動きの荒い展開が続き、日中値幅(高値と安値の差)は1178円10銭だった。
欧米市場に比べ、先んじて新型コロナウイルスの悪影響を織り込み始めた東京市場。それだけに、ゲーム関連株など「巣ごもり特需」を前向きに捉え、株価が急反発する銘柄も散見され始めた。トヨタなど大型株の中にも大幅に値上がりする銘柄が増え、「個人や年金を中心に買いのタイミングを探る動きが出てきた」と、潮目の変化が指摘されていた。
JPX日経インデックス400は5営業日ぶりに反発し、終値は前日比224.09ポイント高の1万1342.75だった。東証株価指数(TOPIX)も5営業日ぶりに反発し、32.12ポイント高の1268.46で終えた。
東証1部の売買代金は概算で4兆3713億円。売買高は30億6517万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1874と全体の約87%を占めた。値下がりは273、変わらずは19だった。