
前日の米株式市場では、米7月卸売物価指数(PPI)の上昇率が予想を上回ったことなどが警戒され、NYダウは11ドル安と小幅反落した。ただ、日経平均株価は値頃感からの買いも流入し217円高でスタート。寄り前に内閣府が発表した4~6月期GDPは実質の年率換算で1.0%増と市場予想(0.4%)を上回ったことも好感された。また、1ドル=147円台前半へ円安が進行したことも追い風となった。前場は4万3000円ラインを意識する場面があったが、後場に入ると一気に上値を切り上げ上昇幅は700円を超えた。結局、日経平均株価は13日につけた終値ベースの最高値(4万3274円67銭)を2日ぶりに更新。TOPIXも最高値に上昇した。半導体関連などハイテク株や大手銀行、電線など主力株に買いが流入した。
朝方発表の4〜6月期の国内総生産(GDP)で国内経済の底堅さが意識されたことも追い風になった。
内閣府が8時50分に発表した4〜6月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除く実質で前期比0.3%増、年率換算では1.0%増だった。プラスは5四半期連続。金融情報のQUICKが事前にまとめた市場予想(年率0.3%増)を上回り、景気敏感株の買いにつながった。日本株は前日に大きく下げていたため、主力銘柄を中心に見直し買いが入りやすかった。
市場では「日替わりで好材料に反応しているというわけではなく、来期以降の業績改善や株主還元の増加を時間をかけて織り込む動きになっている」との声が聞かれた。「最近はロングオンリー(買い持ち専門)など海外投資家の買いが断続的に入っている」との指摘もあった。一方、個人による利益確定売りや生損保など国内機関投資家から持ち高調整の売りも観測され、日経平均は伸び悩む場面もあった。