4月22日以来2週間ぶりに2万7000円台となった。
東証株価指数(TOPIX)は17.56ポイント高の1915.91と、ともに反発した。
朝方は売りが先行した。米国のインフレへの警戒は根強く、米長期金利には先高観がある。日本株市場でも金利上昇で割高感が意識されやすいグロース(成長)株を中心に売られ、日経平均の下げ幅が200円を超える場面があった。
値ごろ感があるとみられたバリュー(割安)株を中心に買いが入った。国内主力企業による好決算発表への期待に加え、外国為替市場で円安基調が続くとの見方も支えとなった。午後には上げ幅が200円を超える場面があった。
これまでに発表された主力企業の決算は市場が想定したほど悪くないとの見方がある。日経平均が2万6500円台半ばに下げる場面では値ごろ感が出たとみられる主力銘柄に長期資金が入るとの観測も相場を支えた。円安が輸出採算の改善につながるとの思惑から、自動車や機械など輸出関連銘柄の一部にも買いが入った。
また、岸田文雄首相は5日の英国での講演で、水際対策の緩和を表明したほか、原子力発電所の再稼働に改めて意欲を示した。この発言を好感して、ANAHDなどのインバウンド関連や電力株などに買いが入った。東電HDは16%超高となり、年初来高値を更新した。
市場からは「こんなに戻すとは思ってもみなかった。バリュー株が強く、週末で売り方の買い戻しも誘ったようだ。ただ、日経平均は2万7000円中心の動きに変わりはない。来週は決算ラッシュに向けて個別株物色が強まることになろう」との声が聞かれた。