朝方は、米国とメキシコがNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉で大筋合意し、27日の米国株式が大幅上昇した流れを好感し、買いが先行した。為替相場の落ち着きもあり、前場の早い段階で2万3006円77銭(前日比207円13銭高)まで上昇する場面があった。2万3000円を取引時間中として約2カ月半ぶりに上回った。
その後は短期的な目標達成感などを背景にした利益確定目的の売りが優勢になり、急速に伸び悩んで終えた。
米国の通商問題はメキシコとの間では前進したが、中国などとの交渉の行方は依然として不透明。
東証1部の売買代金が低迷を続けるなど、「投資意欲の回復も道半ば」といったところだ。市場関係者は、日経平均が2万3000円台で定着するには、「3兆円程度の売買代金が必要だ」と話していた。
JPX日経インデックス400は3日続伸した。終値は前日比30.64ポイント高の1万5318.39だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、終値は同2.68ポイント高の1731.63だった。
東証1部の出来高は11億9595万株、売買代金は2兆1493億円。騰落銘柄数は値上がり1018銘柄、値下がり982銘柄、変わらず105銘柄。
業種別株価指数(33業種)では、海運業、ゴム製品、輸送用機器の上昇が目立った。下落は、水産・農林業、小売業、パルプ・紙など。
個別では、米ライドシェア大手のウーバーテクノロジーズに5億ドル(約550億円)を追加出資すると発表したトヨタのほか、ソフトバンクやファナックの上昇が目立った。コマツやデンソーも高い。不適切融資で会長辞任の意向と報じられたスルガ銀も買いが先行。オープンドア、日本化学、フォーバル、アゴーラHG、IBJなどの上げが目立った。
一方、ファストリや東エレク、資生堂が下落した。米製薬大手と提携解消へ協議開始と発表したJTも軟調で、傘下の鳥居薬は売りがかさんだ。業績下方修正のイーグランド、鳥居薬、ネオス、GMOクラ、TBASEなどの下げが目立った。
東証2部株価指数は前日比27.94ポイント高の7190.91ポイントと3日続伸した。
出来高1億1464万株。値上がり銘柄数は235、値下がり銘柄数は186となった。
個別では、アウンコンサルティングがストップ高。ICDAホールディングス、さくらケーシーエス、東洋刃物、アルメディオ、岡山県貨物運送など7銘柄は年初来高値を更新。
ビート・ホールディングス・リミテッド、アライドテレシスホールディングス、明治機械、エスビー食品、ニチリンが買われた。
一方、パス、ベネフィット・ワン、鈴与シンワート、さいか屋、ヨネックスが売られた。