前日の欧米株高を受け買い優勢の地合いが続いた。米国株市場では7月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が鈍化し事前予想も下回ったことから、FRBによる9月利下げの可能性に期待する形で景気敏感株などを中心に買いが入った。東京株式市場でも米CPIを受けて投資家のセンチメントが改善、朝方に発表された4~6月期の国内GDPがコンセンサスを上回るプラス成長となったこともポジティブ視された。半導体の一角や銀行などバリュー株の一角に投資資金が流入した。ただ、日本時間今晩に7月の米小売売上高や週間の米新規失業保険申請件数などの発表を控え、この結果を見極めたいとの思惑から後場は伸び悩む展開となった。
14日の米株式相場が総じて堅調だった流れを引き継ぎ、東京株式市場でも買いが優勢だった。先高観を強めた海外投機筋とみられる株価指数先物への買いが断続的に入り、上げ幅は400円を超える場面があった。ファストリや東エレクなど主力の値がさ株が買われ、日経平均を押し上げた。
銀行や証券といった金融株、輸送用機器などのバリュー(割安)株の上昇も目立った。PBR(株価純資産倍率)が相対的に低い銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)バリュー指数の上昇率は1.24%と、TOPIXグロース指数の上昇率(0.20%)を上回った。 市場では「循環物色の色彩も強い。前週の急落局面からの戻りが進むなか、出遅れていた銘柄に物色が向かいやすかった」との見方があった。
米国では、7月の小売売上高、鉱工業生産、8月のNY連銀景況指数、フィラデルフィア連銀景況指数などが発表される。小売売上高などの結果が弱いものになれば、景気後退懸念を再燃させる要因になる可能性もあり、米国市場の動きには引き続き注視する必要があるだろう。また、国内では岸田首相の総裁選不出馬を受け、今後自民党総裁選の行方に投資家の関心が集まるだろう。基本的には海外投資家は政治リスクを嫌うため、ポジション大きく傾けてくる動きは限られそうだ。