朝方は、9日の米国株式市場で主要3指数が反落した流れを受け、利益確定売りが先行した。先物売りを交えて下げ幅を広げ、いったん2万9200円を割り込んだ。
その後、押し目買いに持ち直し、小幅高に転じる場面もあったが、買いは続かず、再度軟化した。時間外取引の米株価指数先物が安く、中国・上海総合指数や香港ハンセン指数などのアジア株安も重しとなり、大引け間際には2万9079円77銭(前日比205円69銭安)まで下落した。
日本時間10日夜に10月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控える。「市場予想から上振れすれば、インフレ懸念が高まり米国で利上げ前倒し観測が強まる可能性もある。売買を手控える動きが広がりやすい」との声が聞かれた。
日本時間10日の取引で米株価指数先物が軟調に推移したことも日本株の重荷だった。
一方で、相場の下値は堅かった。決算発表を受けた個別銘柄の物色がみられた。9日に連結利益予想を大幅に上方修正した日産自や、好決算を発表したNTTデータやバンナムHDなどが大幅に上昇した。
衆院は10日午後の本会議で、与党などの賛成多数で岸田文雄首相(自民党総裁)を第101代首相に指名した。同日夜に自民、公明両党連立の第2次岸田内閣が発足する。既定路線との受け止めが多く、相場への影響は限られた。
JPX日経インデックス400は4日続落。東証株価指数(TOPIX)も4日続落し、10.81ポイント安の2007.96で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5202億円。売買高は11億5329万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1213と、全体の56%となった。値上がりは873、変わらずは97だった。