朝方は、きのう連騰した反動で、利益確定売りに弱含んで始まった。いったん上げに転じたが、株価指数先物売りに軟化し、一時2万1142円72銭(前日比128円45銭安)まで下落する場面があった。
一巡後は、経済活動が正常化に向かうとの見方から、空売りしていた投資家の買い戻しが続いた。証券や銀行、鉄鋼、海運など、これまでの上昇相場で出遅れていた景気敏感株を中心に買われた。
日経平均の3日間の上げ幅は1031円に達した。相場の値動きに追随する商品投資顧問(CTA)などの機械的な買いが入っているとの声が聞かれた。日本時間27日午後のNYダウ工業株30種平均先物が堅調に推移したことも支援材料となった。
上値抵抗水準として意識される26週移動平均近辺では売りが出て、上値が重かった。朝方は香港情勢を巡る米中対立激化への警戒感から日経平均は100円超下げる場面もあった。
市場からは「新型コロナワクチンの話もあって、経済正常化への動きを織り込んでいる。売り方の買い戻しが主体だが、二番底シナリオは変わりつつある。米中対立がこじれれば、下げるだろうが、むしろいい押し目になる」との声が聞かれた。
また、戻り足の速さから「テクニカル面での過熱感が高まっている」との声は少なくないが、利益確定売りを吸収しながら上昇が続いている。27日は東証1部売買代金が2兆円台後半まで膨らみ、「相場のボリュームも出てきた」との声が上がっていた。
JPX日経インデックス400は3日続伸。終値は前日比125.62ポイント高の1万3933.23だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続伸し、14.74ポイント高の1549.47で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆8756億円と4月30日以来、約1カ月ぶりの高水準だった。売買高は17億6330万株だった。
東証1部の値上がり銘柄数は1431、値下がりは662、変わらずは77銘柄だった。