朝方は、米インフレ懸念を背景に11日の米国株式が下落した流れを受け、売りが先行した。きのう大幅に3日続伸した反動や、時間外取引での米株価指数先物安もあって、下げ幅を拡大し、一時2万8166円38銭(前日比331円82銭安)まで下落した。
中国・上海総合指数や香港ハンセン指数などのアジア株安も重しとして意識された。一巡後は下げ渋ったが、戻りは限定され、大引けにかけて上値が重くなり、2万8200円台前半で推移した。
原油高で米長期金利の先高観が強まり、成長(グロース)株を中心に売りが出た。
米原油先物は11日に一時1バレル82ドル台に乗せ、約7年ぶりの高値を付けた。原油高による国内企業のコスト増の懸念も日本株の売りにつながった。業種別では空運や陸運、ガスの下げが目立った。
一方、自動車など輸出関連株の一部には買いが入り、相場全体を下支えした。外国為替市場で円相場が1ドル=113円台半ばまで円安・ドル高が進み、輸出採算の改善期待が高まった。原油高を背景にINPEXや石油元売りなど資源関連も買われた。
JPX日経インデックス400は3営業日ぶりに反落。東証株価指数(TOPIX)は3営業日ぶりに反落し、前日比13.90ポイント安の1982.68で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5637億円と8月30日以来の低水準だった。売買高は11億3493万株。東証1部の値下がり銘柄数は1743と、全体の約8割を占めた。値上がりは375、変わらずは65銘柄だった。