きょうの東京株式市場は買い優勢でスタートし、日経平均株価は朝方に200円以上高い場面もあったが、その後は伸び悩んだ。為替のドル高・円安を横目に前場後半以降に買い直されたものの上値は重く、後場終盤に再び上げ幅を縮小した。前日の米国株市場では、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容がややタカ派寄りながら想定内との見方が徐々に広がり、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇し、東京株式市場でも投資家心理を強気に傾けた。アジア株市場がほぼ全面高に買われたことも株高を後押しした。ただ、売買代金は盛り上がらず、日経平均3万2000円台では戻り売り圧力が意識され、上げ幅は限定的だった。
東証プライムの売買代金は8日連続で3兆円の大台を割り込んだ。
前週末の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を波乱なく通過し、市場では過度な米金融引き締めへの警戒感がいったん後退している。同会議前に買い持ち高を減らしていた海外ヘッジファンドなどの短期筋がきょうも買い戻しの動きを進めていたようだ。もっとも市場では「手がかりとなる新規材料に乏しい中で買いの手は鈍く、自律反発の域を出なかった」との声が聞かれた。
週内は9月1日に予定される8月の米雇用統計をはじめ、米国で重要な経済指標の発表が相次ぐ。結果次第で米利上げ観測が再燃するとの見方は根強く、上値追いの動きは限られた。チャート分析上で上値抵抗線として意識されている25日移動平均線(3万2295円、28日時点)に接近した場面では戻り待ちの売りも出やすかった。
節目である3万2500円処を突破できないと、上値の重さが一段と意識される展開が想定されるだろう。
米国では29日、7月の雇用動態調査(JOLTS)の求人件数や8月のコンファレンスボードによる消費者信頼感指数の発表が予定されている。いずれも前月からやや鈍化すると見込まれているが、予想に反して強い結果となれば、米国の利上げ長期化懸念が再燃する可能性もあることから、米国市場の動きには注意が必要だろう。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、3.60ポイント(0.16%)高の2303.41で終えた。JPXプライム150指数も続伸し、0.59ポイント(0.06%)高の1025.57で終えた。