きょうは目先利益確定の売りがかさみ、日経平均は反落した。
朝方は高く始まったものの買いは続かず、上値の重い地合いだった。前日の米国株市場では、注目された1月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る強い内容だったことで、NYダウは下値を探る展開を余儀なくされたが、ナスダック総合株価指数は高く引けるなどまちまちの動きとなった。
ただ、東京株式市場では朝方こそ強気が優勢だったが、上値を積極的に買い進む動きには発展しなかった。米金融引き締めが長期化する可能性が高まったことを警戒する形で買いが手控えられている。アジア株市場が総じて軟調だったことも嫌気された。一方、外国為替市場で1ドル=133円台に入るなどドル高・円安に振れたことは、輸出株中心に追い風材料となり日経平均の下値を支えた。
1月のCPIは前年同月比6.4%上昇し、市場予想(6.2%上昇)を上回る伸びとなった。米利上げが長引くとの見方から、きょうの日本株市場では電子部品関連などのグロース(成長)株の下げが目立った。香港など主要なアジアの株式相場は総じて下落しており、日本時間15日の米株価指数先物も軟調に推移した。
日銀の次期総裁の政策方針を見極めたいとの見方も多く、上値を追う買いは入りづらいとの声も聞かれた。個人や国内の機関投資家などが日経平均の2万7500円を上回る水準では売りを出したとの見方もある。
半面、円相場の下落は日本株の下支え要因となった。外国為替市場では1月初旬以来となる1ドル=133円台まで円安・ドル高が進んだ。朝方には輸出採算の改善期待から自動車など輸出関連株に買いが入り、日経平均は100円超上げる場面もあった。米金利の上昇を受けて保険や銀行株も総じて堅調だった。
米CPIを通過したが、インフレ加速という霧は市場を覆っている。このため、今夜に予定される1月の小売売上高や2月のニューヨーク連銀製造業景況指数などインフレ指標を確認したい投資家は多い。また、植田氏の所信聴取についても、どのような政策運営をするのか判断するのが見通しづらく、仮に金融緩和政策を進めるならば、市場にとってはネガティブに働くとの見方が多い。内憂外患の状況に変化はなく、目先は方向感のつかめない展開が続くだろう。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前日比5.35ポイント(0.27%)安の1987.74で終えた。