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【大引け概況】


10日の日経平均株価は続伸し、終値は前日比251円82銭(0.61%)高の4万1831円99銭と、連日で史上最高値を更新した。

 
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 きょうの東京株式市場はリスクオンの地合いが続いた。前日の米国株市場でハイテク株高が継続し、ナスダック総合株価指数が6連騰で史上最高値を連日更新しており、東京市場でもリスク許容度の高まった外国人投資家の買いが全体を押し上げた。前日のパウエルFRB議長の米上院での議会証言を受け、FRBによる早期利下げへの期待が投資家心理を強気に傾けている。警戒されたETF分配金捻出に絡む売り圧力はあまり反映されず、逆に空売り筋の買い戻しを誘発し、日経平均は後場に入ると上げ幅を広げた。
 
ハイテク株を中心とした米株式相場の上昇で一段と運用リスクを取りやすくなった海外投資家の買いが日本株にも波及した。利益確定売りが出て下落する場面があったものの下値余地は限られ、指数は後場に上げ幅を拡大した。東証株価指数(TOPIX)も最高値を更新。日経平均との「ダブル最高値」となった。
 
株価指数先物の上昇に連動する形で、日経平均は後場に上げ幅を一時300円強に広げた。ファストリや東エレクなど値がさ株が後場は一段高となった。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ転換期待を支えに米株式市場ではナスダック総合株価指数が連日で最高値を更新している。「6月下旬までレンジ相場が続いていた日本株についてはまだ上昇余地があるとの見方から海外勢の日本株買いがさらに強まった」という声があった。12日には株価指数オプション7月物の特別清算指数(SQ)算出を控え、思惑的な買いが相場の上昇につながった面もあった。
 
今週は上場投資信託(ETF)の分配金捻出に絡んだ売りで相場に下押し圧力がかかるとの見方も多かった。分配金捻出の売りに伴う相場下落を見込み、先物に空売りの持ち高を形成していた投資家が前日からの想定外の相場急上昇で、踏み上げ(損失覚悟の買い戻し)に迫られたとの見方も相場を押し上げた。
 
国内の長期金利上昇で東京海上など保険も買われた。ただ、需給主導の側面が強いなかで値下がりも目立ち、東証プライムの値上がり銘柄数は638、値下がりは931、横ばいは75となった。きょう発表の6月の中国消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.2%上昇した。プラスとなったものの、伸び率は5月から縮小した。背景には中国の内需低迷があるとみられ、安川電やコマツ、資生堂といった業績が中国景気の影響を受けやすいとされる銘柄は総じて下げた。
 

 

TOPIXは続伸して終値は前日比13.65ポイント高の2909.20と、4日に付けた最高値を更新して終値で初めて2900台に乗せた。JPXプライム150指数も続伸し、7.29ポイント高の1294.32と、算出以来の高値を更新した。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆7650億円、売買高は18億9666万株だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は保険業、精密機器、食料品などが上昇。下落は機械、石油・石炭製品、不動産業など。
 
個別では、売買代金2位のディスコが値を飛ばしたほか、東京エレクトロンも堅調。ソフトバンクグループがしっかり。リクルートホールディングス、信越化学、中外薬品が買われた。ファーストリテイリングも強い動き。東京海上ホールディングスも買いを集めた。FPパートナー、日東精工が急騰、サッポロホールディングスも大幅高に買われた。サムコが大きく水準を切り上げ、三菱自動車工業も商いを伴い急伸。
 
 半面、売買代金首位となった三菱重工業が値を下げ、レーザーテックも下値を探る展開。日立製作所、三菱商事なども冴えない。M&A総研ホールディングス、クリーク・アンド・リバー社が急落、KOKUSAI ELECTRICも大きく売り込まれた。ジーエス・ユアサ コーポレーションの下げも目立った。ダイキン、NTTデータが下落した。