前日の米株式市場で、NYダウは反落したがハイテク株は底堅く、ナスダック指数は上昇した。これを受け、日経平均株価は値を上げてスタートし、朝方には240円あまり上昇した。しかし、買い一巡後は売りが優勢となりマイナス圏に転じた。後場には為替が1ドル=142円台半ばに円高が進行。半導体関連株などハイテク株が売られ、日経平均株価は400円を超える下落となる場面があった。今晩の米8月雇用統計の発表を控え、ポジション調整の売りも膨らんだ様子だ。
米国で5日に発表された8月のADP全米雇用リポートで雇用者数の伸びが市場予想を下回り、日本時間今晩に発表される8月の米雇用統計への注目が一段と増した。雇用統計の結果は米利下げの幅を巡る市場の思惑を左右し、円相場や米株式相場が大きく動くリスクがある。東京市場では「統計結果が市場予想よりも良くない場合、外為市場が円高・ドル安で反応し、週明けの日経平均は3万6000円割れとなる可能性もある」との見方があった。
朝方に1ドル=143円台半ばだった円の対ドル相場がじり高となり、午後に一時142円台半ばと、1カ月ぶりの水準まで上昇。午前は一進一退の動きが目立っていた日経平均は、午後に円高と歩調を合わせるように下げ幅を広げた。トヨタなど自動車をはじめとする輸出関連銘柄が総じて軟調だった。
8月の米雇用統計の結果に注目される。市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利下げが4割程度織り込まれているだけに、失業率が低下するなど、米経済への過度な悲観が後退する結果となるのかが注目される。今回の雇用統計では、失業率が4.2%に小幅に低下することが予想されている。一方、来週は10日に大統領選候補者による討論会、11日には米消費者物価指数(CPI)、国内でも9月限の先物・オプションSQ(特別清算指数算出)を控える。来週も不安定な値動きが続くことになりそうだ。