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【大引け概況】


31日の日経平均株価は反落し、前日に比べ104円05銭(0.37%)安の2万8091円53銭で終えた。

 
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リスク回避の地合いとなり、再び日経平均は下値を試す展開に。前日の米株市場ではNYダウがフシ目の3万2000ドル台を割り込んだほか、主要株価指数が揃って3日続落となり、日経平均もこれに追随する動きとなった。
米株市場では求人件数などを示す経済データが市場予想を上回り、インフレ警戒からFRBによる金融引き締めが長期化するとの思惑が重荷となった。東京株式市場ではこれを引き継ぎ、保有株のポジションを低めるリスクオフの流れとなったが、下値では押し目買いも観測された。朝方に日経平均は2万8000円台を下回る水準で寄り付いたものの、そこがきょうの安値圏で後場に入ると下げ渋り、結局2万8000円台に戻して引けている。
 
中国国家統計局が31日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は2カ月連続で景気判断の境目である50を下回った。米国だけでなく、中国景気の先行きへの不安がくすぶり、海運や鉄鋼など景気敏感業種が下げた。
 
売り一巡後は下げ渋った。午前には岸田文雄首相が記者会見し、1日当たり2万人としている現行の入国者数の上限を9月7日から5万人に引き上げると表明した。空運株の物色の手がかりとなり、JALとANAHDは年初来高値を更新した。訪日外国人の需要回復の思惑から三越伊勢丹や高島屋にも買いが及んだ。
 
市場からは「時間外の米株先物は高いが、今晩の米株がその流れを引き継ぐかは不透明だ。米金利上昇への警戒感は根強く、当面は米経済指標待ちの格好だ。結果次第で揺れる可能性があるだけに、大きくは動けない」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)は下落した。TOPIXは前日比5.22ポイント(0.27%)安の1963.16で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆2722億円、売買高は13億3218万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1161、値上がり銘柄数は599、変わらず銘柄数は76だった。

 
 
業種別株価指数(33業種)は鉱業、石油・石炭製品、卸売業、海運業などが下落した。上昇は空運業、保険業など。
 
個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが売りに押され、日本郵船、商船三井も軟調。レーザーテック、東京エレクトロン、信越化など半導体製造装置関連も値を下げた。ファーストリテイリング、ファナック、キーエンスが安く、ソニーグループも冴えない。INPEXも下げた。OATアグリオが値下がり率トップとなったほか、ダイヤモンドエレクトリックホールディングスも大幅安。オイシックス・ラ・大地も安い。
 
 半面、東京海上ホールディングスが上昇し、日本航空も堅調、レノバ、ダブル・スコープも買いが優勢だった。京セラが年初来高値を更新、日本電産も値を上げた。アイ・アールジャパンホールディングスが急騰、オロが値を飛ばし、ギフティも大幅高に買われた。リクルート、ダイキン、コシダカホールディングスも高い。