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【大引け概況】
29日の日経平均株価は大幅に3日続落した。前日比639円67銭安の2万9544円29銭と、4営業日ぶりに3万円を下回って終えた。下げ幅は850円を超える場面があった。
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前日の米国市場では、NYダウが569ドル安と急落。米10年債利回りが一時1.56%と6月半ば以来の水準まで上昇し、金利上昇への警戒感が高まった。ナスダック指数も急落した。この流れを受けた東京株式市場では、日経平均株価が大幅安で始まった。
きょうは9月末の配当権利落ち日で配当落ち分の181円程度、日経平均の指数は下押しされた。
午後には自民党総裁選が開かれ、岸田文雄氏と河野太郎氏による決戦投票が行われることが判明すると、一時株価は下落基調となったが、売り一巡後は値を戻した。
 
午後の取引時間中に自民党総裁選の投開票が行われた。1回目の投票では過半数を獲得する候補がなく、1位の岸田文雄氏と2位の河野太郎氏の上位2人による決選投票の実施が決まった。決選投票の決定直後に日経平均は下げ幅を拡大して、きょうの安値を付ける場面があった。
 
市場では「決選投票は派閥の影響力が大きい。事前に積極的な政策論争が行われていたにもかかわらず『結局は派閥の論理で決着するのか』との批判から、この先に控える衆院選で自民党が苦戦する可能性があり警戒する投資家が多い」との指摘があった。
決選投票の結果は大引け後まもなく判明し、岸田氏が新総裁に決定した。
 
JPX日経インデックス400は3日続落し、終値は前日比417.75ポイント安の1万8363.36だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、43.48ポイント安の2038.29で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆8556億円。売買高は16億259万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1768と、全体の約8割を占めた。値上がりは336銘柄、変わらずは50銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では精密機器、電気機器、銀行業など32業種が値下がりした。値上がりは空運業だけだった。
 
個別銘柄では、米ハイテク株の大幅安を背景に東エレク、レーザーテック、アドバンテスなどの半導体関連株のほか、ソニーG、ダイキン、信越化学、キーエンスなどの値がさ株を中心に急落。武田薬、日立製、リクルートHD、日本電産、村田製、三井物産など主力株も軒並み大幅に下落した。日本郵船や商船三井も値を下げた。米長期金利の上昇が追い風だった中ではあったが三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループなど銀行株が軟調。任天堂が下落し、レノバやベイカレント・コンサルティングも売られた。
 
半面、9月末での緊急事態宣言の全面解除が正式決定し、10月からの行動制限緩和の期待を背景に、エイチ・アイ・エスやエアトリなどの旅行関連が大幅高、ANAHDなどの大手空運株やJR東日本やJR東海などの陸運大手も大幅に上昇、OLCなどのレジャー関連も買い進まれた。ファーストリテイリングが高く、東京電力ホールディングスが値を上げた。
 
東証2部株価指数は前日比12.24ポイント安の7803.17ポイントと続落した。
出来高は1億0550万株。値上がり銘柄数は167、値下がり銘柄数は241となった。
 
個別では、ミライノベート、山喜、川本産業、昭和化学工業が年初来安値を更新。ヤシマキザイ、さいか屋、大和、ソマール、フォーシーズホールディングスが売られた。
 
一方、ニッチツ、レオクランがストップ高。アヲハタ、クリヤマホールディングス、日本ハウズイング、瀧上工業、ニッセイなど8銘柄は年初来高値を更新。パス、Abalance、ウェルス・マネジメント、ユーピーアール、倉庫精練が買われた。