朝方は軟調なスタートとなった。前日の欧米株市場が総じて安かったほか、外国為替市場では一時1ドル=150円トビ台までドル安・円高が進行し投資マインドを冷やしたが、その後は下げ渋り、前場後半に一気にプラス圏に浮上した。米政府による対中半導体規制が想定していたほど厳しいものとはならないとの一部報道を手掛かりに半導体関連株の一角に買い戻しが入り、つれて日経平均も上昇に転じた。
米ブルームバーグ通信が28日午前、「米政府は追加の対中半導体規制を来週に発表する可能性があるが、以前想定されていたより厳しい措置には至らない」と報じた。日本企業への影響が限定的になるとの思惑から値がさの半導体関連株が買われ、東エレクだけで日経平均を約147円押し上げた。
ただ、戻りも限定的で日経平均は後場に入り上値が重く、取引終盤に上げ幅を縮小した。個別株ベースではプライム市場全体の7割強の銘柄が上昇した。売買代金は週明けに指数イベント絡みで6兆円台を記録したが、その後もきょうを含め3営業日連続で4兆円台をこなしている。
市場関係者は、「トランプ次期米大統領の政権の前向きな材料に日本株は反応しやすい。もっとも積極的に買い上がるほど力強さのある材料でもないことが上値を抑えた」とみていた。