米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化観測を背景に米長期金利が上昇し、高PER(株価収益率)銘柄が多いグロース(成長)株の重荷となった。値がさの半導体関連銘柄が売られ、日経平均を押し下げた。9月中間期末を前に国内機関投資家による持ち高調整のリバランス(資産配分の再調整)売りも散見されたことも投資家心理を圧迫したようだ。
米メディアが「米上院がつなぎ予算の超党派合意に近づく」と報じたことが伝わり、下げ渋る場面もあったものの、先行き不透明感を解消するには至らなかった。後場終盤にかけては再び売り優勢となり、日経平均は安値引けとなった。
半面、国内外の長期金利上昇が追い風になる銀行や保険の一角には買いが入り、相場の下値を支える場面もあった。午後は海運株の上昇も目立った。先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合を経た後も海外勢の割安株買いは継続しているという見方が市場では出ていた。
金利動向に敏感な半導体関連などグロース株中心に値を消す銘柄が増えた。また、岸田首相が前日夕方、経済対策を発表したが、利食い売りのきっかけにつながったようだ。加えて、米連邦政府が30日の深夜までに歳出法案を可決できなければ、2024会計年度が始まる10月1日から政府機関が一部閉鎖されることになるため、閉鎖への警戒感も投資マインドを萎縮させ、日経平均の下げ幅は300円超え、前日の上昇幅を帳消しにしてしまった。
仮に米政府機関が実際に閉鎖されれば、国債の格下げにつながり、金利上昇圧力が高まるリスクや、雇用統計や消費者物価指数(CPI)などの重要指標の発表が遅れる可能性もあり、米連邦準備制度理事会(FRB)の政策運営に多大な影響を及ぼす可能性があるだけに、米政府債務に関する報道には注意が必要だろう。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前日比13.56ポイント(0.57%)安の2371.94で終えた。日経平均をTOPIXで割って計算する「NT倍率」は13.62倍に低下し、2営業日ぶりに今年の最低を更新した。JPXプライム150指数も反落し、前日比8.25ポイント(0.80%)安の1028.19で終えた。