日経平均は終値で3月28日以来、約1カ月半ぶりの安値となった。
始値がこの日の高値となり、その後はじりじり下げ幅を広げ、取引時間中には節目の2万1000円を割り込む場面もあった。
電力やサービス、建設など内需株が頑強な値動きをみせたが全体を支えきれず、電機や銀行など時価総額の大きいセクターへの売り圧力が強まり全体の気勢を削いだ。
前日の米国株市場ではトランプ政権が輸入自動車への追加関税導入の判断を先送りすると伝わり、これを手掛かりにNYダウが続伸したが、この流れを引き継ぐことはできなかった。
午前は、米商務省が15日にファーウェイに対する米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発動したと伝えたことで、米中摩擦の激化による株安を見越した海外勢が東京株式市場で株価指数先物に売りを出した。
午後になると米中貿易摩擦の影響を受けやすいとの懸念から、電子部品株や景気敏感株、中国関連株も売られた。
さらに、トランプ米大統領が日本と欧州連合(EU)を対象に、自動車輸出の制限を求める大統領令を検討していると伝わると、自動車への追加関税の発動を延期する代わりに、日欧に対米輸出を制限する策を180日以内に講じるよう求める内容であったため、トヨタやホンダなどの自動車株が朝高後に下げに転じ、相場を下押しした。
市場では「米国による中国への第4弾の追加関税の内容を確認したいとして、積極的な売買は控えられているようだ。当面は内需系の好業績銘柄へ物色の矛先が向かいそうだ」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は、6.60ポイント安の1537.55だった。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前日比53.67ポイント安の1万3693.89だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆3942億円、売買高は14億6158万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1227銘柄、値上がり845銘柄、変わらず68銘柄。