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【大引け概況】
30日の日経平均株価は3日続落し、前日比462円16銭安の2万7821円76銭で終えた。10月7日(2万7678円)以来、およそ2カ月ぶりの安値。
 
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 前日までの2営業日で1200円あまりも下げていた反動から自律反発狙いの買いが入り一時は400円以上の上昇をみせる場面があった。しかし、その後は戻り売りを浴び上値の重さが意識され、後場寄りに大口の売りが出て上げ幅を縮小した。更に午後2時ごろを境に先物主導で一気に水準を切り下げマイナス圏に。新型コロナウイルスの新たな変異株であるオミクロン型に対する警戒感が根強いなか、アジア株安や米株価指数先物安を横目に下げが加速した。米製薬大手モデルナのCEOの発言を嫌気してリスク回避の売り圧力が一気に強まった。
 
米バイオ製薬大手モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)が既存のワクチンはオミクロン型に対する効果が低いと述べたと英フィナンシャル・タイムズ(FT)電子版が日本時間14時ごろに報じた。変異型に対応するワクチンの量産には数カ月かかるとの見通しも示し、運用リスクを回避したい投資家の売りがかさんだ。
 
日経平均の日中の値幅は899円56銭と、10月6日(916円20銭)以来の大きさとなった。
 
市場からは「オミクロン型に対する既存ワクチンの有効性が低いとの報道を受け、先物に売り仕掛けが強まった。時間外の米株先物安もにらみ、下げ幅を一気に広げた。当面は相場の落ち着き所を待つしかない」との声が聞かれた。
 
11月の日経平均は月間で1070円93銭下落し、2カ月連続の下落となった。
 
JPX日経インデックス400は3日続落した。東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、20.13ポイント(1.03%)安の1928.35で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で5兆4893億円。株価指数を算出する米MSCIによる指数構成銘柄の見直しに伴う売買が膨らみ、5月27日以来の高水準となった。売買高は25億4576万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1533と、全体の約7割を占めた。値上がりは572、変わらずは79銘柄だった。

 


業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、海運、非鉄金属など30業種が下落。上昇は陸運業、鉱業、石油・石炭製品だった。
 
 
個別では、売買代金トップのレーザーテックと同2位となった東京エレクトロンがいずれも後場値を崩しマイナス圏に沈んだほか、ソフトバンクグループも軟調。任天堂が安く、ファーストリテイリングも大幅に下落。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクが安く、日産自、三菱自、富士通、アステラス、第一三共も売られた。リンクアンドモチベーションが急落、ギフティ、新日本科学も大きく値を下げた。
 
半面、ソニーグループがしっかり、マネックスグループが商いを伴い値上がり率トップに買われた。戸田工業が値を飛ばし、日本電子材料も活況高。恵和が急騰、ガンホー・オンライン・エンターテイメント、トレックス・セミコンダクターなども上値を追った。日本取引所グループ、オリンパス、アドテストも上昇した。
 
 
東証2部株価指数は前日比9.58ポイント安の7357.12ポイントと5日続落した。
出来高2億7454万株。値上がり銘柄数は177、値下がり銘柄数は240となった。
 
個別では、技研ホールディングス、クシム、YE DIGITAL、日本ケアサプライ、DNAチップ研究所など52銘柄が年初来安値を更新。バイク王&カンパニー、英和、アゼアス、カクヤスグループ、川口化学工業が売られた。
 
一方、光陽社がストップ高。テクノマセマティカルは一時ストップ高と値を飛ばした。ヨネックス、京福電気鉄道は年初来高値を更新。TVE、マーチャント・バンカーズ、アドテック プラズマ テクノロジー、ナガホリ、村上開明堂が買われた。