前日の米国株市場では、NYダウなど主要株指数が大きく切り返した。ワクチン開発を巡る不透明感がやや和らいだことや、これまで下げを主導してきたハイテク株が自律反発局面に移行したことが市場心理を改善させており、この流れが東京株式市場にも波及した。ただ、2万3200円台では戻り売り圧力も強く、上値の重さも意識される展開となった。
日経平均は米国株の先物相場の動向に振らされる展開だった。日本時間10日、ダウ先物がマイナス圏で推移する時間帯には日経平均も上げ幅を縮める場面があったが、大引けにかけダウ先物が持ち直すと日経平均も次第に強含んだ。
東証業種別では、海運業が6.9%高と値上がりが目立った。このところ証券会社による投資判断の引き上げが相次いでおり、商船三井、川崎汽、日本郵船がそろって大幅高となった。設備投資需要の底堅さを示す指標の発表を受け、ファナックも買われ、年初来高値を更新した。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比182.08ポイント高の1万4683.35だった。東証株価指数(TOPIX)は反発し、19.46ポイント高の1624.86で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆1663億円。売買高は11億5119万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1523と、全体の約7割を占めた。値下がりは562、変わらずは87銘柄だった。