朝方から主力株をはじめ広範囲に買いが先行した。前日の米国株市場で主要株指数が揃って切り返したことで投資家心理が改善した。米追加経済対策の与野党協議が進展しているとの思惑を背景に米株価指数先物が上昇し、それを横目にリスクを取る動きが優勢となった。
ただ、取引時間中に外国為替市場ではドル安・円高方向に振れたほか、アジア株市場も高安まちまちで、上値を買い進む動きも限定的だった。国内企業の決算発表が来週から本格化することもあり、この結果を見極めたいとの思惑も上値を重くしている。
米与野党は20日、双方が追加経済対策の協議が前向きに進展しているとの考えを示した。21日にも詰めの協議が続くとし、市場では追加策の成立への期待感が高まった。議論の進展を受け、NYダウ工業株30種平均の先物相場が日本時間の21日日中に堅調に推移したことで、市場でのリスク許容度は高まった。
米景気刺激策が実施されることへの期待感から、物色の矛先は景気敏感株に向かった。原油先物相場が上昇したことで鉱業が買われた。鉄鋼や海運、非鉄金属も上げた。空運は、ANAHDが2021年3月期に5000億円規模の最終赤字を計上すると伝わったものの、全体では買いが優勢だった。
与野党協議の行方だけでなく、米大統領選や2020年4〜9月期決算の発表シーズンを前に積極的な取引は手控えられた。東証1部の売買代金は概算で1兆8718億円と、8営業日連続で2兆円を下回った。8営業日連続での2兆円割れは前日と同じく2019年8月以来。投資家にとって本腰を入れた投資はまだ入れづらく、グロース株とバリュー株は、日ごとに強弱が入れ替わる市場環境はまだ続くとの見方が広がっている。
市場からは「米追加経済対策については、ネガティブな話が出れば別だが、いずれ決着がつくとみられ、楽観的にみている。もっとも、22日の米大統領候補の討論会や、11月3日の米大統領選挙というスケジュールをにらむと当面様子見が続くのではないか」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比94.97ポイント高の1万4728.80だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、11.86ポイント高の1637.60で終えた。
東証1部の売買高は9億4331万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1553と、全体の約7割を占めた。値下がりは552、変わらずは75銘柄だった。