前日の米国株市場ではNYダウなど主要指数が下落し、ハイテク株比率の高いナスダック指数の下げ幅が大きく、東京株式市場でも主力輸出株中心に売りがかさむ展開だった。
原油高による原燃料コスト増や消費への悪影響に対する懸念も重荷となった。
前場中ごろの日経平均は下げ幅が200円を超える場面もあった。
日経平均が心理的な節目の2万2000円に近づくと警戒感が高まり、相場の変動率を示す日経平均ボラティリティー・インデックス(VI)は一時、2カ月半ぶりの高い水準をつけた。
日経平均は午後に上昇する場面があった。外国為替市場で円相場が1ドル=110円台前半の円安・ドル高水準に戻したことが好感された。
日本時間28日のシカゴ市場の時間外取引で米株価指数先物が上昇したことも日本株への押し目買いを誘った。中国・上海や香港などのアジア株式相場が大きく崩れず、米中貿易摩擦への過度な警戒感が和らいだ。
日経平均は一時切り返すなど、下値で抵抗感を示した。主力大型株の自動車やハイテクの一角も堅調な値動きとなり、「相場の底堅さを確認した」との声が上がっていた。
東証株価指数(TOPIX)は3日ぶりに反落した。前日比4.45ポイント安の1727.00で終えた。JPX日経インデックス400は続落し、終値は46.27ポイント安の1万5285.74だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆3501億円。売買高は14億40万株だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1289、値上がりは725、変わらずは78銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)では、空運業、その他金融業、保険業の下落が目立った。上昇は、鉱業、金属製品、ゴム製品など。
個別では、ソニーが売買代金トップで堅調、任天堂、トヨタ自動車も買われ、武田薬品工業が上昇、村田製作所、京セラ、SUMCOなども上値指向となった。アイビーシー、テイクアンドギヴ・ニーズが値を飛ばし、日本新薬も値を飛ばした。国際紙パルプ商事、昭和電工も物色人気を集めた。
半面、ソフトバンクグループ、キーエンス、アステラスが軟調、JAL、NTTも売りに押された。フリービットが急落、オプトホールディングも大きく値を下げた。ハイデイ日高、レーザーテックなどの下げも目立った。ディー・エル・イー、不二越、象印マホービンなども下落した。
東証2部株価指数は前日比37.98ポイント安の7309.73ポイントと反落した。
出来高7495万株。値上がり銘柄数は170、値下がり銘柄数は285となった。
個別では、ビート・ホールディングス・リミテッドがストップ安。省電舎ホールディングス、日本ケアサプライ、オーウイル、サンコーテクノ、伊勢化学工業など56銘柄は年初来安値を更新。フライトホールディングス、黒田精工、アサヒ衛陶、スマートバリュー、石井表記が売られた。
一方、金下建設、セイヒョー、プロパティエージェント、大丸エナウィンが年初来高値を更新。ウェルス・マネジメント、アルトナー、ニッキ、指月電機製作所、互応化学工業が買われた。