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【大引け概況】


29日の日経平均株価は3日ぶりに反落し、終値は前日比9円23銭(0.02%)安の3万8362円53銭だった。

 
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朝方はリスク回避ムードで日経平均は400円あまり下げて3万8000円台を下回る場面もあった。前日の米国株市場ではNYダウが4日ぶりに反落し、ナスダック総合株価指数も下落するなど買いが手控えられた。そして取引終了後の日本時間早朝に決算を発表した米半導体大手エヌビディアが時間外で大幅安となったことで、東京株式市場でも半導体関連を中心に売りがかさんだ。しかし、その後は底堅さを発揮、海運や保険、医薬品といったバリュー株の一角が買われ全体相場を支えた。
なお、TOPIXの方は小幅ながらプラス圏で着地している。とはいえ、値下がり銘柄数が940あまりと値上がり数を300以上も上回った状態で、大型株の一角が買われた一方、中小型株は売りに押されたことを映している。売買代金は増勢基調にあるが4兆円台には届かなかった。
 
エヌビディアが28日に発表した2024年5〜7月期の決算は売上高と純利益、あわせて示した8〜10月期の売上高見通しがいずれも市場予想を上回った。ただ、同社がこれまで収益の高い成長を示してきたとあって、投資家の一部からは物足りないと受け止められ、エヌビディア株は日本時間29日早朝の時間外取引で大幅安となった。東京株式市場では東エレクやディスコなど半導体関連に売りが波及した。28日の米株式市場でダウ工業株30種平均など主要な株価指数が下落したのも日本株の重荷だった。
 
日経平均は上昇に転じる場面もあった。日経平均が3万8000円を下回る水準では値ごろ感が意識されやすく、政策保有株式の縮減を進める保険株が上昇するなど、日本企業の変革に着目した中長期の投資家の買いが入った。米ハイテク株の指数先物が日本時間29日の取引で底堅く推移すると、朝方に売られたアドテストなど半導体関連の一角に押し目買いが入った。


 


東証株価指数(TOPIX)は3日続伸した。終値は0.90ポイント(0.03%)高の2693.02だった。JPXプライム150指数も3日続伸し、2.16ポイント(0.18%)高の1211.71で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で3兆8556億円と、8営業日連続で4兆円の大台を下回った。売買高は16億305万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は944。値上がりは637、横ばいは61だった。
 
 
個別では、協業先のスーパー・マイクロ・コンピュータが24年6月期決算の年次報告書提出が遅れると発表したことでニデックが売り優勢となった。レーザーテック、ディスコ、東京エレクトロン、スクリーンHDなど半導体製造装置大手が売られたほか、ソフトバンクグループ(SBG)も軟調。リクルートホールディングスなども安い。ネクセラファーマが急落、イズミも大幅安。アンビスホールディングス、Sansanも値を下げた。さくらインターネットも下値を探る展開になった。このほか、国内証券会社の投資判断引き下げでZOZOが売られたほか、住友ファーマ、SUMCO、クレディセゾンなどがさえない。
 
 
半面、政策保有株放出のニュースが刺激材料となりSOMPOホールディングス、MS&AD、東京海上ホールディングスなど損保株が買われた。三菱重工業が堅調、ファーストリテイリングも上昇した。伊藤忠商事が高く、IHIが値を上げ、キーエンスも買いが優勢だった。ミガロホールディングスが値上がり率トップに買われ、エイチワンも大幅高。シンフォニア テクノロジーが大きく水準を切り上げ、円谷フィールズホールディングスも物色人気。このほか、第一三共、三菱電機、フジクラ、太陽誘電、TOPPANホールディングス、明治ホールディングスなどが上昇した。