前日の米国株市場が休場で手掛かり材料不足のなか様子見ムードの地合いとなった。欧州ではフランスやドイツなど主要国の株価指数が総じて軟調だったことから、午前中は幅広い銘柄に売り圧力が表面化し、日経平均は一時300円を超える下げに見舞われた。しかし、後場に入るとインデックス買いを足場に戻り足に転じた。米株価指数先物(ナスダック100指数)が強調展開を示しているのを横目に半導体関連株などに買い戻しが入り、日経平均を押し上げプラス圏に切り返す形に。結局、日経平均はこの日の高値圏で着地している。ただ、銀行などバリュー株に売りが目立ちTOPIXはマイナス圏で引けた。値下がり銘柄数も値上がり銘柄数を上回っている。
前日は奴隷解放記念日(ジューンティーンス)の祝日で米株式市場は休場だった。欧州の政治情勢や財政の先行き不透明感から欧州市場ではドイツやフランスの主要株価指数が下落した。東京株式市場でもファストリなど一部の値がさ株が売られたほか、認証不正問題の影響を懸念した売りでトヨタやホンダなどの自動車株も下げた。
日経平均は3万9000円前後がレンジの上限として意識されているなか、目立った材料が見当たらないなかで投資家の売買意欲は乏しかった。東証プライムの売買代金は概算で3兆1756億円と今年最低を更新した。売買高も13億1087万株と今年最低だった。
株式市場では、11月の米大統領選を巡って27日に開くバイデン大統領とトランプ前大統領の討論会に注目する声もある。「討論会で減税や中国からの輸入品に高い関税をかけると主張するトランプ氏が返り咲くとの見方が強まると、米長期金利の上昇や米ハイテク株安を通じて日本株にも売りが波及する可能性がある」との見方があった。
休場前の米国株に欧州情勢を警戒するような動きは見られなかった。そのため、本日の米国株が下げたとしても落ち着いていれば、日本株の下値は堅いと思われる。一方、米国で欧州を警戒するような動きが出てくるようだと、週末を前にリスク回避の動きが出てくるだろう。6月末から7月にかけてはフランスやイギリスで選挙があり、欧州関連のニュースが多く出てくると思われる。これが欧州だけのリスクなのか、グローバル株式市場のリスクになるのか、まずは休場明けの米国の動向が大きく注目される。