前日の欧州株市場や米国株市場が休場だったこともあり手掛かり材料に乏しく、上値を積極的に買い進む動きは見られなかった。ただ、取引時間中は中国・上海株市場をはじめアジア株市場が堅調だったほか、米株価指数先物が強い動きを示していたことで、これを好感する形で強調展開を維持した。中国政府がセロ・コロナ政策を一段と緩める動きをみせており、これも内需の消費関連株を中心に買いを誘導する材料となり、投資家のセンチメント改善につながった。
日経平均の上げ幅は一時200円を超えたが、米景気減速への懸念は重荷となり、次第に伸び悩んだ。東証プライム市場の売買代金は連日で2兆円を下回った。
中国政府は26日、新型コロナの感染拡大防止のため海外から中国本土に入る際に義務付けているホテルでの強制隔離を来年1月8日から撤廃すると発表した。中国人の訪日が増えるとの観測から、百貨店株や空運株に好感した買いが入った。
朝方の買い一巡後は上げ幅を縮小した。米金融引き締めの長期化による景気減速懸念は根強く、東京市場では自動車や機械、電気機器など景気敏感株に売りが出た。国内の個人投資家が年末を前に節税目的の損失確定売りを出したとの観測も重荷だった。日経平均は大引けにかけて上値の重い展開となり、きょうの安値で引けた。
市場からは「前場好調だったインバウンド関連が『中国からの入国規制強化』報道で伸び悩み、改めて上値の重さが意識される。夜間取引の米株先物が高く、休場明けの米株市場に引き継がれれば、サポート要因となるが、いかんせん材料が不足している。年末・年始相場への期待も薄れてきたのではないか」(準大手証券)との声が聞かれた。