きょうはリスク選好の地合いを継続した。日経平均は3連騰で3万9000円台を終値で10営業日ぶりに回復した。前日の米国株市場ではNYダウが反落したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が4連騰でついに3カ月半ぶりに史上最高値を更新した。東京株式市場では米ハイテク株高を受け、リスク許容度の高まった海外投資家の買いが全体指数を押し上げる格好に。特に米株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が大幅に上昇しており、これが東京株式市場でも半導体製造装置の主力株を中心に投資資金を誘導する材料となった。後場の寄り付き直後に日経平均の上げ幅は一時500円を超えた。
これ以外にも、売買代金上位の銘柄にまとまった買いが入ったほか、TOPIX構成銘柄のリバランスに伴う売買も反映され、全体売買代金は8兆円近くまで大きく膨らんでいる。
衆院選を終えて以来、短期筋による買い戻しがこれまでの上昇をけん引してきたが、さらに米ハイテク株高が買いを誘った。米国では生成人工知能(AI)向け半導体需要の拡大などを背景に、これから本格化するテック企業の決算に期待が高まっている。決算発表シーズン入りしている東京市場でもアドテストやディスコなど半導体関連が軒並み買われた。決算内容が振るわなかったコマツや日野自には売りがかさんだ。
前日に米長期金利の上昇が一服し、国内の長期金利が低下したことも株価の支えになった。日銀が31日まで開く金融政策決定会合を巡って、市場では政策金利の据え置き予想が多く、日銀の金融政策に対する警戒ムードは広がっていない。株価が戻り歩調にあるなかで、上値では利益確定売りも出やすく、後場は次第に日経平均の上値が重くなった。