朝方買い優勢で始まった後、日経平均はすぐに値を消し一瞬マイナス圏に沈むなど不安定な値動き。ただ下値では買い需要が旺盛で、その後は切り返し2万7000円台前半で頑強な値動きを続けた。前日の米国株市場では、パウエルFRB議長がFOMC後の記者会見でインフレの伸び率鈍化に言及し、これを受けてFRBによる金融引き締め策が早晩打ち止めとなることへの期待が高まり、半導体などハイテクセクターを中心に買いを集めた。
東京株式市場でも米株高を受けリスク選好の地合いとなった。東エレクやアドテストに加え、エムスリーなどPER(株価収益率)が高いグロース株が買われた。
ただ、決算発表が本格化するなか積極的に上値を買い進む動きはみられず、外国為替市場でドル安・円高に振れたことも自動車など輸出セクターに向かい風となった。
市場では「米国株はFOMC(米連邦公開市場委員会)に向け上昇してきただけに、いったんは材料出尽くし感から売りが優勢となることも想定される」との慎重な声も聞かれた。
自動車や銀行などPERが低いバリュー(割安)株は売りに押された。外国為替市場で円相場が1ドル=128円台半ばまで上昇し、トヨタや日産自など自動車株が軒並み下落。金利の先高観が後退し、三井住友FGや三菱UFJなど銀行株も下げた。