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【大引け概況】

10日の日経平均株価は5営業日ぶりに大幅に反発し、前日比972円87銭高の2万5690円40銭で終えた。上げ幅は2020年6月16日(1051円)以来の大きさだった。
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きょうは、前週末から続いた下落相場から一転、広範囲に買い戻しが入り日経平均は大幅高となった。前日の欧州株市場ではドイツやフランスなど主要国の株価指数が軒並み急騰したほか、米国株市場でもハイテク株中心に買い戻しが進み、主要株3指数ともに大きく上昇した。原油価格の急落により、企業業績悪化の思惑がひとまず後退したほか、ロシアとウクライナの外相会談を控え、停戦合意への期待がリスクを取る動きにつながった。
日経平均は直近4営業日で約1800円も水準を切り下げており、突っ込み警戒感からの買い戻しや自律反発を見込んだ押し目買いが全体を押し上げる格好に。上げ幅は一時1000円を超え、大引けも970円あまりの上昇で2万5000円台後半まで水準を切り上げた。
 
原油など主要な国際商品の上昇が一服し、急速な資源インフレの進行による景気悪化の懸念がひとまず和らいだ。リスク回避の姿勢を強めていた投資家が幅広い銘柄に買いを入れた。
前日の商品先物市場では石油輸出国機構(OPEC)による原油増産の思惑から、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油が10%超下がった。穀物や非鉄金属などほかの商品の下げにも波及した。資源高に伴う景気減速への懸念がいったん後退し、前日の欧州や米国の株式相場が大幅に上昇した流れで、東京株式市場でも買いが優勢だった。
 
市場では「海外発の材料に左右され値の荒い展開が続いているが、底入れ確認にはもう少し時間が必要」との声が聞かれた。
 
JPX日経インデックス400は5営業日ぶりに反発した。東証株価指数(TOPIX)も5日ぶりに反発し、71.14ポイント高の1830.03で終えた。
 
東証1部の売買代金は概算で3兆3885億円。売買高は15億403万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は2140と、全体の98%を占めた。値下がりは30、変わらずは10だった。

 

 
業種別株価指数は33業種全てが上昇した。海運業、空運業、その他金融業などの上昇率が目立った。
 
個別では、売買代金トップの日本郵船が大幅高に買われ、売買代金2位のレーザーテックも急反発、前日に昨年来安値を付けた昭電工やGSユアサ、日産自が大幅高。東京エレクトロンも大きく買いが優勢となった。ソニーグループが買い人気となり、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも高い。ファーストリテイリングが買われ、東エレク、信越化、リクルート、ソニーG日本電産、日立製作所なども上昇した。ギフティが商いを伴い値上がり率トップとなり、日東紡績、エムアップホールディングスなども値を飛ばした。
 
半面、日経平均構成銘柄で下げたのは大平金、東電HD、セブン&アイの3銘柄にとどまった。コスモエネルギーホールディングスが急落、セブン&アイ・ホールディングスも冴えない。ビューティガレージはストップ安に売り込まれ、住江織物が大幅安。レノバ、テスホールディングスなど再生エネ関連が値を下げ、大阪チタニウムテクノロジーズも安い。
 
東証2部株価指数は前日比139.75ポイント高の6960.69ポイントと続伸した。
出来高8617万株。値上がり銘柄数は357、値下がり銘柄数は65となった。
 
個別では、ジャパンエンジンコーポレーションがストップ高。オプティマスグループは昨年来高値を更新。ユニバンス、コメ兵ホールディングス、技研ホールディングス、ヨネックス、Jトラストが買われた。
 
一方、サンテック、京進、さくらケーシーエス、ヤスハラケミカル、太平製作所など8銘柄が昨年来安値を更新。インタートレード、日本ハウズイング、ソケッツ、東邦金属、相模ゴム工業が売られた。